2016年の「マイナビABCチャンピオンシップ」。初優勝を狙う小林伸太郎の前に大ベテランの片山晋呉が立ちはだかった。最終日を単独首位で迎えた小林だったが、前半の5番でダブルボギーをたたくなど片山に首位を奪われる。そのままゲームは進み、2打差で18番パー5を迎えた。
ABCゴルフ倶楽部の18番はグリーン手前に大きな池が口を開ける名物ホール。1打目をフェアウェイに置いた小林は、ピンまで185ヤードの2打目をピン奥5メートルに乗せる。対して片山は、右のファーストカットから残り180ヤード。グリーンは狙わずに97ヤード地点に刻み、3打目を小林の数センチ内側につけた。
イーグルパットを先に打った小林は下りのラインを決められず、万事休す。後から打った片山は2パットで通算30勝目を手にした。
片山との差を特に感じたのは18番の2打目地点。「僕なら無理して(グリーンを)狙っていたかも知れない。片山さんは自分のゴルフを知っていらっしゃる。片山さんに追いつけそうな場面もありましたが、2つ3つぐらい届かなかった。自分にはまだ経験が足りない。もっと自分のゴルフを知らなければいけない」。1打差惜敗にも潔く敗戦を認めた。