【関連ニュース】片山晋呉の通算30勝目は貫録勝ち!史上6人目となる節目の勝利に「やっていて良かった」
■冷静なマネジメントが生んだ“刻む勇気”
最終日は片山選手の冷静なマネジメントが光った18ホールだったのではないでしょうか。彼がボギーを叩かない安定したゴルフを見せる中、周りがバタバタしてしまった。結果的に1打差の決着となりましたが、終始片山選手のほうが勝つ気配を放っていたと思います。
それが凝縮されたのが2打差のリードで迎えた18番パー5のセカンドショット。ティショットが飛んだ場所はセミラフで木が気になる位置でしたが、池越えのショットで十分2オンは可能でした。ですが、彼はレイアップを選択します。先に打った小林選手がイーグルチャンスにつけていて、決めれば自分がパーでも並ばれる場面ですが、彼が考えたのが最悪のケース。この場合で言えば自分がボギーを叩いて、彼がイーグルを奪って逆転されること。これはネガティブな思考ではなく立派なリスクマネジメントです。それを踏まえた客観的で冷静なジャッジができることに彼の強さを見ました。
ボクも2000年の「日本プロゴルフ選手権大会」で、最終18番パー5で同じような状況となりました。その時、ボクは「手前に刻んでディボットに入ったりするのが嫌」とグリーン周りまで持って行って結局3オン2パットのパーで勝ちました。今回のシンゴのケースのように木がせり出したりしてた訳じゃないので、レイアップせずに3Wで行ったのは正解だったと今でも思ってます。ですが、木がスタイミーとなっていた今回の晋呉のケースで自分だったらレイアップ出来たかどうかは甚だ疑問です。もう一回池越えになりますからね。そんな中、勇気をもって刻んだプレーの丁寧さが勝利につながったと思います。