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【佐藤信人、勝負の明暗】片山晋呉の冷静さが凝縮された“刻む勇気”

【佐藤信人、勝負の明暗】片山晋呉の冷静さが凝縮された“刻む勇気”

配信日時:2016年11月1日 07時28分

健闘を称え合う2人 お互いにとって特別な最終日になったに違いない
健闘を称え合う2人 お互いにとって特別な最終日になったに違いない (撮影:秋田義和)
 片山晋呉の優勝で幕を閉じた「マイナビABCチャンピオンシップ」。片山は首位と2打差で最終日を迎えると、4バーディ・ノーボギーゴルフでトップを走る小林伸太郎をかわし逆転で通算30勝目を挙げた。そんなベテランの技術と初優勝を目指す勢いがぶつかり合った競り合いの裏側をツアー通算9勝を挙げ、ゴルフ雑誌やテレビの解説で幅広く活躍している佐藤信人氏が語った。

【関連ニュース】片山晋呉の通算30勝目は貫録勝ち!史上6人目となる節目の勝利に「やっていて良かった」

■冷静なマネジメントが生んだ“刻む勇気”

 最終日は片山選手の冷静なマネジメントが光った18ホールだったのではないでしょうか。彼がボギーを叩かない安定したゴルフを見せる中、周りがバタバタしてしまった。結果的に1打差の決着となりましたが、終始片山選手のほうが勝つ気配を放っていたと思います。

 それが凝縮されたのが2打差のリードで迎えた18番パー5のセカンドショット。ティショットが飛んだ場所はセミラフで木が気になる位置でしたが、池越えのショットで十分2オンは可能でした。ですが、彼はレイアップを選択します。先に打った小林選手がイーグルチャンスにつけていて、決めれば自分がパーでも並ばれる場面ですが、彼が考えたのが最悪のケース。この場合で言えば自分がボギーを叩いて、彼がイーグルを奪って逆転されること。これはネガティブな思考ではなく立派なリスクマネジメントです。それを踏まえた客観的で冷静なジャッジができることに彼の強さを見ました。

 ボクも2000年の「日本プロゴルフ選手権大会」で、最終18番パー5で同じような状況となりました。その時、ボクは「手前に刻んでディボットに入ったりするのが嫌」とグリーン周りまで持って行って結局3オン2パットのパーで勝ちました。今回のシンゴのケースのように木がせり出したりしてた訳じゃないので、レイアップせずに3Wで行ったのは正解だったと今でも思ってます。ですが、木がスタイミーとなっていた今回の晋呉のケースで自分だったらレイアップ出来たかどうかは甚だ疑問です。もう一回池越えになりますからね。そんな中、勇気をもって刻んだプレーの丁寧さが勝利につながったと思います。

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