3週間ぶりに復帰した10月下旬の「日本オープン」では予選落ち。スイング改造に手応えを感じていた矢先に腰痛を発症し、「戻ってしまった」と石川プロは肩を落としました。22年シーズンはこのまま終わるかに思われましたが、11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で再び優勝のチャンスが巡ってきます。4日間60台を並べて、トータル8アンダーで星野陸也プロとのプレーオフに突入。2ホール目にバーディを奪い、ついに3年ぶりとなるツアー18勝目を挙げたのです。
優勝インタビューでは「スイングに関しては、ここから見た目的にほとんど変わらないと思います。あとは自分の感性、『当て勘』を吹き込んでいく。フェアウェイバンカーからクリーンに打つことだったりとか、スライスで大きく曲げたりということも、新しいスイングプレーンのなかで徐々にコントロールできるようになってきている」と話していて、3年にも及ぶスイング改造は最終段階まで来ました。
石川プロ同様に片山晋呉プロも今年のシニア入りに照準を合わせて、19年からスイング改造に着手。「3年間はスイングだけ。振り方だけ。それが全部合わさって、球のイメージ、距離感が全部入ってようやく。4年かかった」と昨年語っています。石川プロも今年がスイング改造から4年目。昨年のVISAは耐えるゴルフで優勝しましたが、『当て勘』に磨きをかける今年は、ショットでビタビタチャンスにつけて、バーディ合戦で勝ちきる姿が見られるかもしれません。(文・下村耕平)
