「カラダでフルに上げている感じなんですよ。左にポンって移動しただけで手が腰ぐらいまできて、頭は残っていて。すごくシンプルなんですよね。同じように打ちたいなとずっと練習しているんですけど、筋力なのか体の柔らかさなのか…。でも、“この動きはここでこうなるんだ”と言った感じで教科書にはしています。昔の動画をいっつもあさっていますね(笑)」
「(ウッズは)もっと前も好きなんですよ。アマチュア時代のバックスイングの始動とか。めっちゃマニアック(笑)」とのこと。ほかにも「最近の2018年とかのスイングとかも好きですね。あのスタック&チルト(左一軸)とかやってった時期もあるじゃないですか。そのころのもたまに見たりしますね」。ここまで話しても分かる通り、「体で打つ感じ。なるべく腕で打ちたくない」というのがケンシロウの理想のスイング。アマチュアゴルファーにとっても大きな壁となる部分だ。
「僕は結構左手で打つイメージしかないですね。スイング中は右手を使っているというイメージはほとんどない。僕自身はあまりショットで右手が邪魔をするという感覚はないですが、そういう方は左手一本の素振りをしたほうがいいと思います。左手の意識を持つこと。左手の甲や左腕が遅れてきている、体に巻き付いてきているぐらいの意識があるといいと思います」
逆に今、ケンシロウが修正しようとしているのが「肩回りの筋肉がかたくて、クラブがアウトから入ってきている」こと。シード争いを繰り広げる昨年11月ごろからこの症状に悩まされていた。「今はスリークォーターやハーフショットばかりやっています。右肩が出ちゃったり、バックスイングがスムーズに上がらなかったり、シャットに上がりぎたり。そういった細かい部分をチェックしています。試合がない期間にはなかなかできないですが、こういうときこそイメージをガラっと変えたり試していますね」。さらにトレーニングでも肩回りを柔らかくしつつ、下半身を強化するなど、技術的なこと以外の部分からも修正を試みている。
冒頭の通り、最初は自身の連続写真を見るのを嫌がっていたが、いざ、カメラで自分のスイングを見始めると「すげー」、「面白い」と食い入るように見つめていたケンシロウ。己を知り、改善することでさらに強くなる。