ここまでびっしりとメモしておくのはもう1つ理由がある。「メモにはないグリーン上のマウンドだったり、実際に測ってみたら数字が違うところもある。だから自分の足を使って、目で見て、測って、メモしています」と出口氏はいう。また、情報を整理して書き込むことで「試合では頭に入れようと思っても、抜け落ちちゃうときがあるんです。だから、わかりきっていることでも、あえて書くこともあります」。スマホでやるゴルフのゲームのように、いつもボールは狙ったところに飛ぶとは限らない。あらゆる状況に対処できるように準備しているのだ。
ツアープロやキャディは、たとえコースメモを見なくても、例えば、ゴルフ日本シリーズJTカップ2日目の6番ホールでのティショットからカップインまでを覚えていたりする。スタートホールや最終ホールは印象に残っていても、6、7番ホールは忘れやすい。そもそもコース自体が頭に入ってないと、「6番ってパー3だっけ?」なんてことになるが、そもそもどうやってコースを覚えているのか。
「僕の場合は、こうやって細かくメモすることで頭に入ってきます。一般ゴルファーの方なら絵を描くのが一番早く覚えられるのでオススメです。そんなに精密じゃなくてもいいので、そのホールの特徴的な池だったり、グリーンのマウンドなどを絵に描くと脳に入りやすいと思います。それができたら、1番ホールから頭の中でシミュレーションするのもいいですね」
同じホールで同じミスをして、いつも打った後に「この前もやったな」と気づく人は、反省会をしながら絵を描くのがいいようだ。