昨年大会の最終日18番を思い起こさせるようなスーパーショットだった。愛知県にある三好カントリー倶楽部を舞台に開催されている、国内男子ツアー「コカ・コーラ東海クラシック」の2日目。この日3アンダーで最終18番を迎えた石川遼が右のラフから放ったセカンドはピン手前に落ちると、そのままカップをなめてコロがり1メートルにピタリ。大歓声が18番グリーンにこだました。
「石川遼の1打速報」でこの日のプレーを振り返る
ピンまで残りは165ヤードと昨年よりはやや距離が短いものの、フライヤーを計算して左からの風に乗せるフェードボール。「思った通りに飛んでくれた。すごく良いショットでした」すべてがイメージ通り。「少し飛びすぎてピン奥についてしまった」と笑ったがその弾道はあの勝利への一打と重なった。最後はカップ2つ分切れる下りのフックラインをきっちり決めてバーディフィニッシュ。出入りの激しい内容だった初日とは打って変わって4バーディ・ノーボギーで首位と2打差の4位タイに浮上した。
18番のスーパーショットだけではない手応えはある。「2日連続で良いスイングが出来ている。体をどう動かすかわかってきた」ホールアウト後の練習はこの日も10球。良い手応えを得たスイングの確認作業のみであっという間に切り上げた。後半はティショットがラフにつかまることも多かったが、「曲がっているというより真っすぐ抜けている。完璧なスイングをしているつもりでしたが、ほんの少し右をむいて当たってしまっていてラフに入ってしまいました。スイング自体は悪くなかったです」と気にする様子は無い。さらに、石川を連覇へ後押しするのは復調気配にあるパッティングだ。
以前から取り組んでいる長方形の箱をパターで打つドリルを宿舎で毎日30分程度欠かさず続けているうちに、インパクト時に開いて当たってしまうクセが矯正出来つつある。「自分の思ったところに打てないというのが少しずつ減ってきている。5メートルから10メートルでも惜しいパッティングを打てるようになってきました」この日はバーディパットを決めきれない場面も多かったが、どこからでもしっかりとカップをなめていつでも入りそうな雰囲気をかもし出していた。