ではラウンド中、具体的に自分の脳をどう左脳から右脳へ切り替えればいいのでしょうか。
ズバリ、それはコースマネジメント後に自らに問いかける「グッドショットはどこ?」という質問。その質問に対して、右脳に切り替えて映像や弾道イメージで答えを出します。その後、スイングに入る前に前回お話したレベル2〜3の人たちはルーティンを使って自分がスイングで気をつけるべき点だけに意識を向けます。一方、レベル4の人たちはルーティンを使ってターゲットへ意識を向けます。
ゴルフでいうルーティンとは、ショットに入る前に毎回行う動作や、心の準備を含めた一連のプロセスのこと。ルーティンを行うことで、右脳に切り替えた後からスイングに入るまでの動作に一貫性を持たせて、脳を意識する右脳のまま持続することができます。
ここでやっかいなのが「雑念」。つまり、脳が今のプレーに集中していなければ、コースマネジメントを考える「Think」の状態にもその後のターゲットや自分のスイングで気を付けるべき点に意識を向ける「Awareness」にもっていくことができません。
皆さんは前のホールのミスを引きずったり、同伴者のプレー、天候など、自分の内外から起こる雑念に邪魔されていませんか。下の図を見てください。そのときに発揮できるパフォーマンスとは、もともとの能力から雑念を引いた分になります。つまり、パフォーマンスを妨げる脳の中にある雑念をできるだけ取り除く必要があります。 今回はその雑念を取り除く方法を紹介します。
一打に集中できない・・・・・・その雑念を取り除く方法とは?
2.1で挙げた原因に対し、自分でコントロール(除去)できるか、できないかに仕分けます。
例えば、ミスショットによるイライラや焦りは自分の内側から湧き出るもの。リカバリーが可能です。そのため、自分でコントロールできる部類に入ります。一方、天候は自分では変えることができません。そのため、コントロールできないといったように仕分けます。
3.自分でコントロールできないものは気持ちよく諦めます。自分で解決できない天候などは、「まぁ、落ち込んでもしょうがない!」と無理にでも潔く諦めましょう。「どうすることもできないことに悩む」という雑念を取り除きます。
4.自分でコントロールできるものを時間軸で仕分けます。例えば、前ホールでのミスショットや寝坊、二日酔い、仕事のトラブルは過去。ミスショットを打ってしまったらどうしようという不安は未来。仕分けていくと、「今」に当てはまる原因がないことに気づき、「今」しなければならないのは一打に集中するべきだと、頭の中が整理されます。
頭の邪念を取り除くことで、初めて脳が一打に集中できるようになり、コースマネジメントをクリアな頭で考えられるようになります。そして、ワンポイントだけを意識することの重要性を理解できるかと思います。これができるようになると、他のスポーツや仕事においてのパフォーマンスアップが可能になりますので、ぜひ日頃から行ってみてください!
教えてくれた人
さまざまな切り口のゴルフ関連プロダクトを取り扱う、株式会社 エンジョイゴルフ&スポーツジャパン代表取締役。佐々木氏自身、フォーカスバンドというデバイスを使ったフォーカス&パフォーマンスコーチとしてツアーで活躍するプロゴルファーのサポートもしている。