前回紹介したクラブやボールと並んで、ふるさと納税の返礼品として、ゴルファーがチェックしておきたいのが、プレー券をはじめとするゴルフ場で使える商品。こちらも日本全国、多くの自治体で用意されており、中にはトーナメントが開催されるような有名なゴルフ場のプレー券を見つけることもできる。
ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクの宗形深さんの話によると、返礼品の数としては、クラブなどのギアよりも、ゴルフ場のプレー券のほうが点数は多く、ゴルフ場のプレー券を返礼品として入手するための寄付額は、トップが1万円、2位が5万円、10万円の順になっているそうだ。
ゴルフ場のプレー券だけでなく、クラブやボールの返礼品もある。詳しくはこちら
自治体によって異なるが、多くの場合、プレー券は紙として送られてくる。そこでいつものネット予約ではなく、該当ゴルフ場に電話をして予約をとり、プレー券を使用する旨を伝えるという段取りとなる。ちなみにこのところ、“ふるさと納税の自動販売機” がゴルフ場に設置されたというニュースを耳にするが、これは「ふるさとチョイス」のようなポータルサイトに掲載されているものと中身は同じ。ただ自販機なので寄付したらすぐにプレー券や利用券を入手できるのがメリットだ。市内のゴルフ場に “ふるさと納税の自動販売機” が設置されている御殿場市にうかがうと、その場でプレー券を入手できるのですぐに使えるスピード感が人気で、デジタルツールの扱いが苦手な方にも好評だという。自販機が取り扱うのは設置されたゴルフ場の返礼品(プレー券など)のみで、該当自治体でも他の返礼品は扱っていないようだ。
せっかくの返礼品のプレー券とはいえ、平日限定だったり、気候のいいハイシーズンが適用外となっていたりするとありがたみが薄れてしまう。そこで使い勝手のよさも考えた、ゴルフ場で使える返礼品をいくつか紹介しよう。
プレー券だけでなく使い道が広い利用券に注目したい
まずは房総半島の真ん中あたりに位置する大多喜町。都内からのアクセスのよく、千葉県内でもゴルフ場が数多く集まるエリアだ。
大多喜カントリークラブ 1名様土日祝日プレー招待券/寄付金額55,000円以上
シーズンを問わず使用でき、プレーする可能性の高い土日祝日の設定というのがうれしいポイント。プレー招待券にはプレーフィのほか、昼食代も含まれている。
大多喜町内ゴルフ場利用券 5枚/寄付金額50,000円以上
3,000円分の利用券が5枚セットなっている。プレー券の場合、ひとつのコースに限定されることが多いが、この利用券は町内にある5つのコース(大多喜カントリークラブ・大多喜城ゴルフ倶楽部・千葉夷隅ゴルフクラブ・花生カントリークラブ・マグレガーゴルフクラブ)で使うことができる。プレーフィだけでなく、レストランでの食事代や売店での買い物代に使うことができ、こちらもシーズンや曜日の限定がないため、より活用の幅が広がりそうだ。
市内に25か所のゴルフ場を擁して、ゴルフのまちを提唱する兵庫県三木市もゴルフ場に関わる返礼品が充実している。
花屋敷ゴルフ倶楽部(ひろのコース/よかわコース)両コースで使用できるゴルフ場利用券/寄付金額10,000円以上
オリムピックゴルフ倶楽部で使える利用券 Olympic Premium Ticket/寄付金額10,000円以上
上記のふたつはトーナメントの開催実績もある人気コースだ。三木市では返礼品として、いわゆるプレー券ではなく、プレーフィやコースのレストラン、プロショップで使える商品券的なものを多く扱っている。時期によってプレーフィが変わるゴルフ場も協賛しやすく、プレーする側の自由度も高いためだ。三木市に話をうかがうと、食品とゴルフ場の利用券が返礼品の2大人気商品となっているが、食品と比べるとゴルフ場の利用券はリピーターが多いらしい。
返礼品ばかりに目が行きがちだが、ふるさと納税は寄付をするお金の使い道を指定できるのも特徴のひとつ。三木市はゴルフのまちらしく、同市で開催される全国高等学校、中学校ゴルフ選手権春季大会(春高・春中ゴルフ)の開催支援という用途を選ぶこともできる。ゴルフ場の利用券を得るだけでなく、次世代を担うジュニアゴルファーの育成にも協力する、というのもゴルファーらしいふるさと納税といえるかもしれない。
もうひとつ三木市でユニークなゴルフ場関連の返礼品を見つけた。
太平洋クラブ有馬コース 32名様分プレーご招待券+参加賞付/寄付金額1,000,000円以上
かなり高額なので寄付できる人も限られるのだが、返礼品がそっくりそのまま1回分のコンペとなっている。8組32名分のプレーフィと32名分の参加賞がセットとなっている。参加賞は寄付者と打ち合わせをして決めることができるそう。太っ腹の幹事さん、喜ばれること請け合いです!
ゴルフ場でのプレー+αの返礼品もなかなかのスグレモノ
ゴルフ場に関わるふるさと納税の返礼品を見てみると、ほかにもゴルファーならちょっと気になるユニークな返礼品がある。
太平洋クラブ×チームセリザワ ゴルフアカデミー 体験レッスンチケット1枚/静岡県御殿場市/寄付金額167,000円
チームセリザワゴルフアカデミーでのレッスンは貴重な体験に
藤田寛之、宮本勝昌などトッププロたちが芹澤信雄のもとに集ったチームセリザワ。そこに設けられた、プロ、アマチュアを問わず、ゴルフ指導を行う “チームセリザワゴルフアカデミー” の体験レッスンを、太平洋クラブ御殿場コース(土日祝日は御殿場ウエスト)で受講するというもの。1日の間に、ストレッチからドライビングレンジやパター練習場などでのレッスン、9Hのオンコースレッスンなどを体験できる。ふるさと納税で上手くなるという選択肢も魅力的だ。
ロペ倶楽部 平日ゴルフペアセルフプレー&ヘリコプター往復移動便(東京ヘリポート発着) セットチケット/栃木県塩谷町/寄付金額1,500,000円
これまで都内〜ゴルフ場間のクルマによる送迎を、返礼品としている自治体はあったが、こちらはそれをよりラグジュアリーにグレードアップ。東京ヘリポート〜ロペ倶楽部間を、ヘリコプターで往復送迎、さらにロペ倶楽部での平日セルフペアプレー券がセットとなっている。都心からはクルマで2時間ちょっとの人気リゾートコースは、ヘリコプターであれば45分で到着。渋滞を気にすることなく快適にラウンドができる。寄付金額は変わるが、横浜西ヘリポート、船橋ヘリポートからの出発、片道のみヘリコプター移動という設定も用意されている。
そもそもふるさと納税とは?復習したいときはこちら
ゴルファーであれば、ラウンドの回数を増やしたいのはやまやまだが、そこにかかるコストがどうしてもネックとなる。だがふるさと納税の返礼品を上手に活用すれば、そんな気になるコストを抑えてくれる。ゴルファーにとってのふるさと納税は、ゴルフライフを充実させるための一助になるはずだ。
※返礼品、寄付金額などのデータは、12月21日現在の「ふるさとチョイス」、「さとふる」のデータより