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今井克宗、8年ぶりの競技のティショットは緊張を笑いに変えた【写真】
久々のラウンドだから。朝イチでみんなが見ていたから。緊張して普段以上に力が入りがちなため、スタートホールのティショットを苦手とするお客様は少なくありません。毎日のようにラウンドしているプロゴルファーだって、スタートホールで緊張する選手は少なくありません。それが、最終日の最終組だったりすれば、特に緊張するものです。
優勝争いをしている選手にとって、「緊張してしまった自分自身」が一番の敵となってしまうことは少なくありません。緊張のあまり、前夜あまり眠れなかった。緊張しすぎて納得できないうちに打ってしまった。ちょっとのミスで焦ってしまった…などなど。緊張感に飲まれてしまうと、焦りが生まれ空回りしてしまうことも。
「緊張しているのですが、どうしたら良いでしょう?」といったことを選手から相談されたこともあります。緊張で、なかなかクラブハウスを出ていけない選手というのも見たことがあります。優勝争いをしている選手にとって、「楽しむ」 ということは容易ではありません。
しかし、その緊張感が「スーパープレー」と呼ばれるような神がかり的なショットやパットを生むこともよく知られています。緊張を集中に変えていくことで、「ゾーンに入る」という状態に持っていくことができると言われています。そのために必要なのがポジティブシンキング、つまりは「楽しむ」ということなのかなと。
「緊張感の中でゴルフすることが、プロゴルファーとしての醍醐味」と、中嶋常幸プロが言っていました。魅せることを求められるプロゴルファーにとっては、緊張感の中でのゴルフは大きな喜びでなくてはなりません。だからこそ、「楽しむ」ということが必要なのだろうと思います。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。