グループ大手は混乱なく自社ルールを決めて運営
両社ともその場で飲食するレストランは基本的に10%とし、持ち帰りやテイクアウトに該当するクラブハウス売店のみやげ物は8%にする考え方は共通しています。違いが出たのはコース売店(茶屋)について。アコーディア・ゴルフでは、コースにて飲食するなど利用者からの申告に応じて8%にするのに対し、太平洋クラブでは商品ごとに税率を決めて販売するため利用者は申告する必要がありません。
プレー代は10%を計上した料金を提示しますが、太平洋クラブに関しては満70歳〜74歳と、満75歳以上が対象のいわゆる「グランドシニア」の同社クラブ会員に対し、増税後も現状の割引優待を続け、現状価格を維持するそうです(一部適用外あり)。
個別のゴルフ場は9月になってからも苦悩
2020年に「日本女子オープンゴルフ選手権」を開催するザ・クラシックゴルフ倶楽部(福岡県宮若市)はレストランのみやげ物やコース売店では該当商品に対して、利用者の申告に応じて8%とする取り決めをしました。同倶楽部支配人は「対応に悩み、旅行業界を参考にしたり、近隣のゴルフ場支配人や会計士に相談して決めた」と話します。
東京都内や茨城県からも利用者のあるダイナミックゴルフ成田(千葉県香取郡多古町)は、練習場をはじめミッドコース、レストランを併設しています。
レストランでは全商品テイクアウト可能なため、レストランのみの利用を目的に訪れる人も多く、来店客と自分たちの混乱を避けるために増税後も値段は店内での飲食、テイクアウトとも同額にするそうです。レストラン支配人は税率の設定について「消費者庁のホームページを参考にしたが、社内で悩んで決めた」と回答。しかも、先日の台風被害を受け、ゴルフ場全体が一時営業を停止。復旧作業に追われながら、税制度対応も並行して行う非常事態だったそうです。
そのほか「この商品は8%など、国から具体的な事例の提示がほしい」、「関係業界からのアナウンスがなかった。ゴルフ場任せで何が正解か分からない」と本音を漏らす別のゴルフ場関係者も。前出のザ・クラシックゴルフ倶楽部支配人は、「認識の観点から茶屋もすべて10%にするゴルフ場もあると聞く。統制が取れておらず良くないのでは」と、個々でゴルフ場運営する立場ならではの声が聞かれました。
さらに、多くのゴルフ場からは「始まってみないとわからない」というコメントも、当分の間、ゴルファーも混乱しそうな雰囲気ですが、決してゴルフ場側だけに原因があるわけではないといえるでしょう。