今回は、カートって免許証いるの? というお話です。
21世紀になってから日本でのゴルフはカートでプレーする時代になりました。それまでは、カートが使えるゴルフコースは1割もありませんでした。ゴルフは歩いてプレーするのが当たり前だったのです。現在でも、トーナメントは歩きでプレーしますし、歩きでプレーするのが原則になっているゴルフコースが、本当にごく一部のみ存在します。
カートには、電磁誘導式と呼ばれる決められたルートの上を走る運転が不要のタイプと、誰かがハンドルを握って運転するタイプのものがあります。
世代を判断する基準の一つですが、自動車の運転免許を持っていない若者が多いと言われて久しくなりました。実は、ゴルフコースでも、若いゴルファーの組み合わせで、誰も運転免許証を持っていない、ということが起きて、大問題になっているそうです。
免許証がないゴルファー同士では、ゴルフに行けない、というわけではありません。ゴルフコースの予約をする際に、電磁誘導式のカートを採用しているかを確認して、そのタイプのカートを使っているコースを選べば良いのです。電磁誘導式なら、ボタン操作で、ゴー、ストップしますので、免許証はいりません。
カートのお陰で、歩きに比べれば、快適なゴルフができるのは紛れもない事実です。楽しくゴルフをするために、カートを安全に利用できるようにするのは、現代のゴルファーのスキルの一つだといえます。
運転できる仲間がいれば問題の多くは解決します。ゴルフの虜になった若者が免許を取ったという話もたくさん耳にします。未来になっても、カートとゴルフは益々、切っても切れない関係になると推測できるのです。
さて、カートはどうして左ハンドルなの? という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages