コロナ禍以降に「偽物クラブ」が増加! 手にするリスクが高まっている
ゴルフ界では熾烈なクラブの開発競争が続いており、メーカー各社は魅力的な新製品を毎年のように世に送り出している。革新的なテクノロジーが次々に生み出され、性能的にハイレベルであることは間違いないが、多くのゴルファーを悩ませているのは「価格」だ。
コロナ禍以降、原材料の高騰や開発コストの増加が続いており、クラブの単価は年々高額になっている。例えば人気の海外メーカーのドライバーであれば、純正シャフトを装着した吊るしのクラブでも10万円前後の価格で販売されているし、アイアンに至っては1本で3万円を超えるケースもある。
もしそんな状況で、気になる最新クラブが驚くほど安い価格で販売されていたらどうだろう。怪しいと思いつつも、その価格に大きな魅力を感じるかもしれない。しかし、それは大きな危険をはらんでいる。なぜなら、見た目だけを模倣し、中身は素材も構造も全く違う粗悪な「偽物クラブ」である可能性が高いからだ。
特に最近ではスマートフォンを使って手軽にネットショッピングができるし、個人間で物品の売買が可能なフリマアプリも広く普及している。軽い気持ちでポチッと購入したクラブが届いてみたら「偽物」という可能性は大いにあるのだ。
総合ゴルフショップとして国内外で中古クラブの取引を行う株式会社ゴルフパートナーでは、毎日のように「偽物クラブ」に関する問い合わせがあるという。そこで、同社の買取流通企画部に所属する島政和氏に、最近の「偽物クラブ」の情勢や本物との見分け方について聞いてみた。
「偽物クラブ」は海外メーカーや地クラブを模倣したものが多い
島氏は、「偽物クラブ」にされるモデルの傾向として、「人気があり、価格の高いものが多い」と話す。
「テーラーメイドやキャロウェイ、PING、タイトリストなど、海外メーカーのクラブは安定した人気があるため、『偽物クラブ』が作られ、出回るケースが多いです。国内メーカーではエポン、バルド、三浦技研といった地クラブメーカーの模倣品も増えています。単価が高いものは、『偽物クラブ』を売った時に利益を得やすいからでしょう。最近増えているのは“ゼロトルク“で話題のラブゴルフですね。パターは模倣しやすく、単価が高いため、ドライバーと並んで『偽物クラブ』が多いカテゴリになります」
「偽物クラブ」でも製造するにはそれなりのコストがかかる。そのため、人気メーカーであっても単価が安くなりがちなFWやUTは模倣されることが少なく、単価の高いドライバーやパター、本数の多さで価格が高くなるアイアンが「偽物クラブ」として出回ることが多い。
「基本的に海外サイトを利用したネットでの購入やフリマアプリは注意した方が良いでしょう。今は円安の時代でクラブの送料だけでもかなりの金額になりますから、日本で買うよりも海外の方が安いというケースはほぼありません。フリマやオークションを利用する場合は、出品者にしっかり質問するのがおすすめです。『偽物クラブ』を扱っている場合、購入した場所やクラブに関する情報などを聞いたとしても曖昧な答えが返ってくる可能性が高いです」
出品者に対して質問する際、真贋を見抜く効果的な確認方法があるという。
「クラブの重さを確認するのがいいですね。『偽物クラブ』は外観だけを真似しているので、本物と比較すると重さや長さ、スイングウェイト(バランス)が大きく異なるケースが多いです。メーカー公式HPのスペックと照らし合わせて、小さな誤差であれば安心材料にはなるはずです。もちろん、それだけで『偽物クラブ』でないとは言い切れませんので、基本的には大手のゴルフショップでクラブを購入するのが確実です」
「ゴルフパートナー」では「中古クラブアドバイザー」という独自の社内資格制度を作っており、ゴルフクラブを厳正に査定し、真贋を見極めるための知識を有している。「偽物クラブ」は買取査定の段階で確実に除外されるため、安心して中古クラブを購入することができるというわけだ。安全・確実に本物のクラブを手に入れるには、こういったショップを利用するのがベストな選択だと言えるだろう。
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