メジャーチャンピオンたちが親子で戦う「PNC選手権」(米フロリダ州)が21日に終了した。2日間の日程で行われ、初日からトップを走ったマット・クーチャー(米国)と息子のキャメロンが、最終日も「54」をマーク。トータル33アンダーで、ジョン・デーリー、デービス・ラブⅢ(ともに米国)組を抑えて快勝した。
その最終日を大いに沸かせたのは、なんと86歳のリー・トレビノと27歳のネリー・コルダ(ともに米国)だった。
トレビノは今年も息子でプロのダニエル・トレビノとペアを組んで出場。最終日は3番パー5でイーグルを奪い、4番から4連続バーディー。その後、5つの連続パーを挟み、迎えた13番パー4で、トレビノが60度のウエッジで放った第2打が直接カップインし“イーグル”。大歓声に両手を挙げて応えた。
「最近はショートゲームがひどくて、まるでミミズが這っているみたいだったんだ」とトレビノ。が、イーグルを決めたショットについては「60度でちょっとドローをかけた。うまくいった」と大笑いした。
トレビノは、1995年から開催されている今大会に毎年出場し続けている唯一の選手。大会を16位で終えたメジャー6勝のレジェンドは、「練習場にテントを張ってベッドを置いてくれたら、そこでずっと寝ることができる」と、今も変わらない『ゴルフ愛』を吐露する。
「今もプレーを続けて、ゴルフのプロモーションを続ける理由は、『神様』が何かの理由で私に途方もない才能を与えてくださったからだ」とトレビノ。「もうすぐ『神様』に会う日が近いと思うけど、その『神様』をがっかりさせたくない。なぜかって? もし『神様』が私に失望したら、きっと私はアーニー(アーノルド・パーマー)のキャディをやらされるに違いないからさ」と語り、ファンを大爆笑させた。
一方、父のペトルさんとプレーしたネリー・コルダ(米国)は、3番パー5でイーグルを奪取。バンカーからの第3打をネリーが直接カップインさせると、大歓声が上がった。チーム・コルダは最終18番パー5でもイーグルを決め、「59」をマーク。大会は4位で終了した。(文・武川玲子=米国在住)
