「最高の形で60回目の誕生日を迎えた」

全英オープン3勝、マスターズ3勝を誇り、1990年代前半は世界ランキング1位に君臨した英国の英雄、ニック・ファルド（英国）。2017年の全英オープンでは大会を主催するR＆Aが粋な計らいに感謝した。

全英オープンの歴代優勝者は60歳まで本大会に出場できる。ファルドは58 歳になった2015年大会のセントアンドリュースで引退を表明したが、ロイヤル・バークデイルで行われた17年大会の練習日にコースに立った。

大会の2日前、7月18日に60歳の誕生日を迎えたファルドに敬意を表して、R＆Aが1日限りのラウンドを許可したのだ。ファルドが1番ティに姿を表すと、ギャラリーからはハッピーバースデーソングで祝福。優勝者に送られるクラレットジャグを囲んで前年覇者のヘンリク・ステンソン、アーニー・エルスらと記念撮影を行った。

撮影が終わるとファルドはクラレットジャグを持って走りだし、ウエアの中にしまうしぐさも見せる。過去3度手にしたクラレットジャグだが、まだまだ大会に未練があるのかと思いきや1番ホールの横にいた家族や知人らと写真撮影するために持ち去った。

前半9ホールはステンソン。後半9ホールは英国の後輩、ジャスティン・ローズとラウンド。かつて自分が主役だった舞台を1打1打かみしめてラウンドをした。「R＆Aの特別措置に感謝している。ゴルフは私の人生だから、最高の形で60回目の誕生日をスタートすることができた。今夜はパーティだ」。R＆Aの粋な計らいはレジェンドにとっても忘れられない1日になった。