2009年にプロ転向し、2010年のQスクール(予選会)を経て2011年から米ツアーデビュー。当時の彼は希望に溢れ、順風満帆の日々。
そんなスタンレーが初めて躓いたのは翌春だった。2012年の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」で首位を独走し初優勝に王手をかけていたが、最終日終盤に大きく崩れてブラント・スネデカー(米国)とのプレーオフにもつれ込み、勝利をスネデカーにさらわれた。
悔しさと情けなさが込み上げ、人目もはばからずその場で号泣したスタンレーの姿は今でも忘れられない。そんな彼を気遣った勝者スネデカーの言葉も忘れることはないと思う。
「悔し涙は恥じゃない。戦う相手が、たとえこの地球上の僕の最大の敵であっても、あんなふうに苦しむ姿は見たくない」
スネデカーの優しさに心を癒され、立ち直ったスタンレーは、その翌週、フェニックス・オープンで堂々の初優勝を飾り、スポットライトを浴びたのだが、その一寸先は闇だった。