1つは、ネバー・ギブアップの精神で執拗に巻き返してくるという意味で「バック・トゥ・バック・トゥ・バック・ザック」。そして、もう1つは「小技の魔術師」。
そう、ジョンソンは昔からウェッジやパターを武器にしていたわけで、今大会の最終日に披露したピンに絡むウェッジショットの連続は、彼の得意技の集大成みたいなものだった。
だが、プレッシャーがかかる優勝争いとなると、持てる技術をうまく出せるかどうか、実力を発揮できるかどうかが問われるものだ。その中で、ジョンソンの技術を十分に、いや十二分に引き出してきたのは相棒キャディであるグリーンの努力と功績だ。
ウェッジとパターを得意とするジョンソンに、パットのラインを正確に読むことのできるグリーンの目が加わったことで、ジョンソンのスコアリングは120%、いや150%ぐらいまで向上したと言えるだろう。
ジョンソンが米ツアーデビューした04年に早々に初優勝を挙げることができたのは、キャディとしての経験豊富なグリーンがジョンソンの流行る心をうまくコントロールし、ジョンソンの経験の乏しさを上手に補ってきたからこそだ。