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【舩越園子コラム】石川遼がファイナル4戦で学んだこと

【舩越園子コラム】石川遼がファイナル4戦で学んだこと

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2013年9月30日 13時05分

 だが、半分以上は不安だったことを思えば、ファイナル3試合目で来季の米ツアー出場権を確実化し、「来年、また米ツアーでやれることにほっとしている」というのも頷ける。「ホントに五分五分なんです。ほっとしている反面、13位に満足しちゃいけないという思いもある」。

 安堵と悔しさが混在する複雑な心境を胸に秘めながら、プレッシャーに打ち克ち、来季の出場権獲得という結果をきっちり出した石川は、世界で戦う本当の厳しさをこの下部ツアー4戦で知ったのだと思う。

 そう、ゴルフには相反する感情がつきまとう。正反対の選択や判断をしばしば求められる。安堵しながらも悔しさを感じ、満足しながらもどこかには不満。リスクと安全は常に背中合わせで、理想と現実は乖離していく。その中で、相反する感情をどうやってコントロールしたらいいのか。リスクと安全をどう配分したらいいのか。

 そのバランスの取り方、その判断の仕方。それこそが世界のトッププレーヤーたちの明暗を分けるポイントで、タイガー・ウッズフィル・ミケルソンはその難しさをメジャー大会で感じ、石川はそのギリギリ感を今回はウエブドットコムツアー・ファイナルで感じたということなのだろう。

 スターダムをずっと駆け足で昇ってきた石川だからこそ、駆け足の脆弱さに気が付き、少しばかり立ち止まったり後戻りしたりすることの大切さをようやく知った。

「これに出て良かったと思っています。こういう形だけど、乗り切った。時間をかけて作ってきたものは崩れにくくなっている。そこに価値がある」

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