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【コラム】マスターズの余韻

【コラム】マスターズの余韻

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2013年4月23日 10時46分

 そんな中、優勝争いはグレーム・マクダウエルとウェブ・シンプソンに絞られた。マクダウエルは2010年の全米オープン覇者、シンプソンは2012年の全米オープン覇者。だが、ヘリテージで勝利を競い合っていた2人の胸の中にあったものは、過去の栄冠ではなく、前週のマスターズで予選落ちした悔しさだった。

 悪コンディションの中、マクダウエルは2アンダー69、シンプソンはイーブンパー71で回り、プレーオフへ突入。1ホール目でシンプソンがパーパットを外した瞬間、マクダウエルの米ツアー2勝目が決まった。

 首位との4打差をひっくり返した逆転勝利。マクダウエルは全米オープンの他には欧州ツアーで6勝を挙げているが、米ツアーのレギュラー大会を制したのは今回が初めてだった。

 「ゴルフというゲームは、勝つことより負けることのほうが多い。優勝するのは本当に大変なことだ」と勝利を喜びながら、前週のマスターズで予選落ちを喫した悔しさを思い出していた。「オーガスタでの予選落ちが今週のモチベーションになった。もしも先週、トップ10に入っていたら、今週のこの優勝はなかったかもしれない。不思議なことが起こるものだね」

 プレーオフで惜敗したシンプソンも、まったく同じ想いで戦っていた。だが、マクダウエルに一歩及ばなかったのは、ほんの少し自信が不足していたからかもしれない。

 72ホール目。6メートルのバーディーパットを沈めていたら、その場でシンプソンの勝利は決していた。「あのとき僕はあまり自信がないまま、あのパットを迎えてしまった」

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