グリーン手前からの第3打は打った瞬間は「入ってもおかしくない」ほど完璧だと思ったそうだが、それがボールマークにはねてイレギュラーバウンド。その結果、ボギーを叩き、「ストレスがたまった」。
がんばったこと、好結果を期待したことが報われなかったとき、悔しさや苛立ちはもちろん募る。だが、そこで我慢できるかどうか、そこで耐えて立ち直れるかどうか。その精神力が問われるからこそ、この大会は「厳しいテスト」と呼ばれていたのだ。
米ツアー6年目の34歳にして初優勝を掴んだケビン・ストリールマンは混戦となった最終日の優勝争いの中では未勝利期間が最長の152試合だった。過去には3位が3度あったが、6年もの間、それが彼の自己ベスト。この大会は4度目の出場。「08年のルーキーイヤーに初出場したときは3日目に84を叩いて最下位になった」経験もあった。
今年は初日70位と大きく出遅れたが、2日目に31位へ、3日目に首位タイへ、ひたひたと順位を上げた。最終日は63をマークして首位に躍り出たブー・ウィークリーの通算8アンダーを目指しながらティオフし、4バーディー、ノーボギーの見事なゴルフで初優勝を手に入れた。
ストリールマンの座右の銘は「どっちにしても起こることは起こる」。だから、起こってしまったことに逆らわず、くよくよせず、目の前の状況にベストを尽くせ。