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「別物」のZOZOチャンピオンシップに見て取れたもの【舩越園子コラム】

「別物」のZOZOチャンピオンシップに見て取れたもの【舩越園子コラム】

配信日時:2020年10月26日 12時00分

構えにもショットにも「不安」の二文字が漂っていたトーマスとは対照的に、キャントレーからは「自信」の二文字が溢れ出していた。今週のキャントレーは初日から3日間、1つもボギーを叩かず、54ホールをノーボギーで回ったのは彼にとってはキャリア初。そんなすべての流れが最終日のキャントレーに強固な自信をもたらし、その自信が彼に米ツアー通算3勝目をもたらした。

「ラスベガスのころから調子は良かったし、今週はずっといいスイングができていたので、今日の15番は自信を持って挑むことができた。優勝争いに絡めば絡むほど優勝が増え、優勝が増えれば、その後に優勝争いに絡むことも増え、そうなればもっと優勝が増える」
いい流れが心身に好作用をもたらし、好結果をもたらす。そんな「正の連鎖」をキャントレーの勝ち方の中に見ることができた。

ところで、コロナ禍における米ツアーの昨今の状況は「いい流れ」とは言い難い。トニー・フィナウダスティン・ジョンソンアダム・スコットが新型コロナウイルスに感染。フィナウは今大会から復帰したが、ジョンソンは今週も欠場だった。そして、6月に米ツアーが再開した際に試合会場の安全性を疑問視して、しばらく出場を見合わせていたスコットが今大会開幕前のPCR検査で陽性反応を受け、米ツアー選手13人目の感染者となったことはショッキングだった。

全米あるいは世界の感染者数から見れば、13人は「少ない」と言えるのかもしれない。だが、マスターズを間近に控えた今、毎週のようにトッププレーヤーが感染している事態は、ある意味、仕方がない面もあるのかもしれないが、「いい流れ」では決してない。

マスターズ前週のヒューストン・オープンでは、コロナ禍では米国内で初めてギャラリーを入れることが発表された。とはいえ、1日2000人限定ゆえ、これも「少ない」と言えるのだが、それでもフィル・ミケルソンは感染リスクが高まることを大いに懸念。「マスターズ出場資格を持つ以上は、あらゆるリスクを避けるべき」と語り、出場を見合わせる様子だ。

人数を通常の10分の1以下に絞って観客動員することでさえ、選手から「リスキーだ」と敬遠され、実際、感染者が続出している現状は、米ツアーの「バック・トゥ・ノーマル(通常化)」がまだまだ遠いことを示している。

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