石川遼の勝負カラーは赤?それとも黒? 着こなしをチェック
2015年、「ファーマーズ・インシュランス・オープン」(米カリフォルニア州・トリーパインズGC)で取材したときの話。テーマは“飛ばし”で、「インパクトの力みこそ飛ばしの奥義!」と打ち出しました。取材に指定されていた日は朝から濃霧で、話は聞けても写真の背景は真っ白け。しかも我々が約束していたのは練習ラウンドの前半だったため、カメラマンと2人で困っていると、遼くんから「ハーフ回った後でもいいですよ」とうれしい提案がありました。
霧が晴れて真っ青な空が表れたところで取材がスタート。「アドレスから力を入れてしまうと、ヘッドは走りません。僕はゆるゆるで握っておいてインパクトの瞬間だけ指をギュッと締めています。そうすることで手元にブレーキがかかって、シャフトのしなりが使える。ヘッドが一気に加速して強いボールが打てるんです」と教えてくれました。
アドレスでグリップを握る強さは10段階で3だが、インパクトの瞬間は8くらいの強さで握るという。特に大事なのは、ヘッドから一番遠い左手。小指、薬指、中指の順番でグリップを締めることで、ヘッドが加速します。そこで取材魂が働き、インパクトで左手をギュッと握る動きを練習する方法はないものかと遼くんに投げかけてみました。
「僕は毎日お風呂で練習していますよ。頭の中でスイングをイメージして、インパクトの瞬間に“片手水鉄砲”で水を飛ばすんです。小指側から力を入れると、親指側からピュッと水が飛ぶ。両方やったほうがいいけど、やっぱり左手が大事ですね」。