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大柄ではない金メダリストの凄さはここ! ”選手目線”で木下稜介が語る

大柄ではない金メダリストの凄さはここ! ”選手目線”で木下稜介が語る

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2022年2月15日 15時00分

最終日の9番ホールは、グリーンの右サイドに池があったが、ザンダーは右端に切られたピンを積極的に狙っていった。ここまでに3つスコアを伸ばして首位と3打差に迫った状況でも攻め続けた。結果的にピンを狙ったショットは池に落ち、このホールはダブルボギーとなったが、攻めの姿勢は木下にビンビンに伝わっていた。

さらにすごさを感じたのはそのあとだ。「首位が近づいた状況でダブルボギーを打っているのに、怒りもしないし、気持ちの浮き沈みが全くないように見えました」。その後も淡々と波がなくプレーを続け、ダブルボギーを引きずることなく気持ちの切り替えの早さに驚いた。米国男子ツアーでは、60台前半のビッグスコアが出ることが多いが、こうしたザンダーのような攻めのゴルフがそうさせているように感じる。

■どんな状況でもスイングリズムが変わらない

波がないのは気持ちだけでなく、スイングリズムも同じだった。「池のホールだろうが、強烈なアゲンストの風が吹こうが、どのショットも同じリズムでスイングしていました。僕はアゲンストの風だとルーティンが速くなったり、打ち急いでしまいます。その差を感じました」。スイングリズムが変わることでミスショットしやすくなるが、ザンダーはリズムが変わらず常に高い精度のショットを打っていたという。

プレッシャーがない場面で精度の高いショットを打てるのは当然。どんな状況でも心技ともに波のないことに感心した。加えてグリーンを外しても簡単にボギーを打たないショートゲーム力にも舌を巻いた。身長は変わらないが、「体は大きい」と筋肉の厚みの違いも感じた。順位的にはザンダーは18位タイと木下が上回ったが、随所に差を感じたのは事実だ。

「僕自身のアイアンショットの精度は他の選手に負けていないと感じましたが、世界と差を縮めるにはまだまだ課題はたくさんあります。飛距離は今から20ヤードも伸ばせないと思います。ショットの精度をさらに高めて、ショートゲームの強化をしていきたい」。木下は“教科書”と1日過ごしたことで多くのお土産を持ち帰ってきた。

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