接待ゴルフは大嫌い!"ガチンコ"でなれけばコミュニケーションツールになり得ない
「取引先のお客様は、毎年この時期を楽しみにされている。女子プロゴルファーはLPGA(日本女子プロゴルフ協会)からホスピタリティの面でかなり教育を受けていますし、お客様にも相当喜ばれますね」
ただし、同大会のプロアマ戦は他の試合と一線を画している。プロも交えて4人一組で歓談しながらプレーするプロアマ戦は、一体感を大切にするためプレー方式もスクランブルゴルフ(4人で一つのスコアを記録)が一般的。しかし、『カストロールレディース』はノータッチ(6インチプレースなし)・完全ホールアウト(OKなし)の"ガチンコプレー"が名物だ。
車業界やゴルフ業界のコンペで「腕自慢」として知られる小石社長だが、ゴルフを始めたのは37歳と意外にも遅め。
「それまではゴルフが大嫌いでした。"オヤジのスポーツでしょ?"ってね(笑)。ですが社内でのポジションが上がっていくにつれて、必然的に対外的なコミュニケーションが多くなってきましたので」
毎週末の猛練習により、3年でシングル入りしたが……。
「練習場では周りで打っている上手な人のスイングを見て研究しましたね。『どうやってバックスイングを上げているのだろう?』とかね。ですが、自己流でしたしスイングにもクセがついているので、最高はハンディ5.1。そこまでは6年かかりましたしね」
会話以上に相当な苦労があったのは想像されるが、「接待ゴルフはしたくない」と気持ちが自らを奮い立たせた。
うまい人に勝負できる腕前をもって、相手の心を揺さぶる"本気の勝負"を仕掛けたい。プロのスポンサードによって、ガチンコでなければコミュニケーションツールになり得ないと肌で感じ、その考えを貫いてきた。
加えて徹底しているのが、ルールとマナーの両面だ。
「うちの社員は、どこにいっても『ルール&マナーがしっかりしていますね』と言われるんですよ。。社内コンペもJGAルールにのっとっています。お客様とプレーする際もそうですがスポーツである以上、ルール&マナーは頭にたたき込んでおかないといけないと伝えています」
こんなエピソードも…。
「『小石さん、今日は6インチでいいですか?』と聞かれても、『いやいや、ダメです!うちのルールはノータッチ・完全ホールアウトですから!』と説明します(笑)。6インチプレースが認められているコンペに参加しても、スタート前に『われわれは社内のルールがありますから、最後までやらせてください!』とお願いしますね。『あの場面でOKをもらっていたら、2〜3打違ったよな』と考えますが、"自分に厳しく"がゴルフでは最も大事ですから」