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13時5分最終組スタートのイ・ボミは、西日のまぶしさと戦いながらプレー【写真】
先日、スコットランドのセント・アンドリュース・オールドコースで開催された「全英オープン」。この時期のスコットランドの日の出は午前5時前、日の入りは午後10時前と昼間の時間がとても長く、全英オープンの予選1組目のスタート時間は、朝の6時35分。最終組は午後4時16分と、その差はなんとおよそ10時間もありました。
国内でも、4日間競技の予選2日間は、午前組と午後組に分けられている場合が多くあり、日の出ている時間が長いこの時期は、午前のトップスタートが7時くらい。午後の最終組は13時前後なので、6時間ほどの差があります。
初日の午後から天候が荒れ始め、結局数組を残してサスペンデッドとなり、2日目の早朝から前日の分を消化して、そのまま第2ラウンドに突入といった場合、初日の午前中に気持ち良くラウンドできた2日目の午前組とは大きな差が出てしまいがちです。もうずっと前の話ですが、あるトーナメントで初日の午後組にホストプロを全て集めてしまった結果、天候の急変によりそのほとんどが予選落ちしてしまったなんてことも。
スタート時間は、大会本部が決めるものなので、選手自身ではどうしようもありませんし、そういった運の良し悪しを生み出してしまうような天候になるかどうかは、試合当日になってみないとわかりません。組み合わせの時間と天気予報をチェックして、その週の運は吉か凶か…そんな風に考えてしまうのも、仕方のないことです。
スタート時間によって及ばされる影響は、天候だけではありません。遅い時間のスタートであれば、夕暮れが近くなることでリズムが変わってしまいがちですし、ちょっとでも中断すればサスペンデッドが確定してしまうといった問題があります。
逆に朝早い時間のスタートであれば、クラブハウスの開く時間が自分の入っておきたい時間よりも遅かったり、コース全体を覆う朝露がショットに影響を及ぼしたりといったことも。
良い時間にスタートできるような運を持っているかどうかも、ゴルフの才能のひとつかも? まずは有力選手となって、ゴールデンタイムと呼ばれるようなバランスの良い時間にスタートできるようになれば、その運不運の影響を小さくできるのかもしれません。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。