【世界で決勝進出、「自信」こそが武器】
仮に試合会場に家族が応援に来ていたとしても「試合が終わるまでは接しないという割り切り方も覚えた」と豊永プロは言う。
「ドラコンはメンタル面がモノを言う繊細なゲームだという意味が、今は身をもって理解できるようになりました」
今年5月に米ネバダ州メスキートで開催されたPLDAワールドチャンピオンシップの予選に挑み、60ヤードのグリッドに向かって6球を打ち放つ過酷な戦いを7セットも勝ち残った末に、この大会で過去32勝を挙げている最強選手と最後の最後に対戦。「ここぞ」というその場面で豊永プロは予選最長となる400ヤードを記録し、1位通過をやってのけた。
この大会で日本人を含む外国人が予選を通過したのは史上初。
「すごいプレッシャーだったけど、すごい達成感だった。ものすごく自信になりました」
次に挑むのは、やはりラスベガスで10月に開催される同大会の決勝戦だ。「自信を持って挑めます。全面的にサポートしてくれている会社や仲間への恩返しのためにも頑張りたい。ベスト4には行きたい。いや、決勝に行きたい。チャンスはある」
そう、チャンスは十分にあるんだ――1年前より格段に大きく強くなった豊永プロの目は、控えめながら、はっきりと、そう言っていた。