4月に松山英樹がマスターズ優勝、6月には畑岡奈紗とのプレーオフという日本人対決を制して、笹生優花が全米女子オープンで勝った。8月には東京五輪で稲見萌寧が初の銀メダルを獲得、その稲見は記事執筆時点で年間8勝を挙げ、不滅の記録とされた不動裕理の年間10勝に迫る勢いだ。10月のZOZOチャンピオンシップでは、松山が日本のファンの前で米ツアー7勝目を飾った。これらのニュースのいずれもが、現在のゴルフブームを後押ししている。
この新作アニメーション『BIRDIE WING –Golf Girls’ Story-』(以下『BIRDIE WING』)は2022年の放送を予定しており、メインスタッフとして監督を稲垣隆行(『ニンジャボックス』『砂ぼうず』)、シリーズ構成を黒田洋介(『機動戦士ガンダム00』『僕のヒーローアカデミア』)が担当。メインキャラクターとなる“イヴ”と“天鷲 葵(あまわし あおい)”を演じるのは、鬼頭明里(『鬼滅の刃』竈門禰󠄀豆子)、瀬戸麻沙美(『ちはやふる』綾瀬千早)の2人。作中のゴルフ監修として、プロコーチとして活躍し、世界ジュニアゴルフ選手権日本代表監督を務める井上透が参加。さらに主題歌は数々のヒットソングを手掛ける広瀬香美が担当するという、胸アツのキャスティングになっている。
そこまでやる!? 打球音だけで50種類
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それだけではない。本作の担当プロデューサー氏によると、作中の登場人物のスイングのベースとなるCG(実力のあるジュニアゴルファーのスイングをマルチアングルで撮影して制作したという)は、10回くらい作り直しているという。しかもこのCGは、あくまで作画のサンプル。作中には一切出てこない。
「実際のスイングをそのままアニメにしてもダメなんです。やはり“アニメらしいスイング”にするためには作画監督やアニメーターが絵を起こさないと。サンプルCGは作中には出てきませんが、作品の根幹に関わってくる部分ですので」(担当プロデューサー氏)
ここまで手をかけて制作されている『BIRDIE WING』、準備期間もかなりのものだ。企画立案が2017年、そこから企画が承認されたあと、ストーリーの制作には2年近くかけている。ゴルフの監修役としてプロコーチのかたわら20年以上ジュニアゴルファーの育成に携わってきた井上透プロに白羽の矢が立ち、ルールやリアリティの部分などでサポートに加わったのが2019年の夏前だという。一般的なアニメ制作にどれくらいの期間がかかるのかは寡聞にして知らないが、企画から5年経ってようやく放送するとなると、かなり壮大なプロジェクトといえるだろう。
期待せずにいられない
「若い頃から20年くらい、ツアープロコーチの傍らジュニア育成に携わってきました。10年前からは世界ジュニアの日本代表監督も務めていますので、ジュニアゴルファーの育成は私のライフワークなんです。スイングのサンプルCGはうちの生徒のジュニアゴルファーがモデルになってくれたんですが、将来有望な選手ですよ。あとは昔からアニメが大好きで、『プロゴルファー猿』も『あした天気になあれ』も見ていましたので、お話をいただいた時はこの『BIRDIE WING』がオリジナルゴルフアニメということで、是非関わらせていただきたいと返事して、ルールやリアリティの部分にアドバイスをさせてもらっています。このアニメがきっかけで、『あ、ゴルフ楽しそう』」と思ってくれる子が一人でも増えてくれたらそれが一番うれしいですね」(井上プロ)
ハイクオリティの作品になることは間違いなさそうだ。『BIRDIE WING』の放送開始は2022年の予定。
■公式HP:https://birdie-wing.net
■公式Twitter:@birdiewing_golf
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