“スポーツキャピタル”と呼ばれるロサンゼルス地域で「全米オープン」が開催されるのは、1948年のリビエラCC以来実に75年ぶり。同市内で最も名門コースと言われるロサンゼルス・カントリークラブがその舞台だ。LACCでは初開催とあって、ロサンゼルスはいよいよ盛り上がりをみせている。
だが、コースはロサンゼルスの“超中心地”。ビバリーヒルズに隣接する街中に所在する。36ホールを有する広大なコースといえど、周辺の交通事情などが加味され、今年は一日のチケット販売は22000枚に抑えられたと、主催するUSGA(全米ゴルフ協会)は発表している。
しかしながら、この盛り上がりをコース外でも存分に楽しめるよう、USGAが大会期間中に“ファン・フェスティバル”を開催する。
LACCのサウスコースにほぼ隣接する『ウエストフィールド・センチュリーシティ』。デパートメントストア、専門店やレストラン、スポーツジムまでそろう巨大ショッピングモールだが、ここに特設会場が設置され、開幕前夜の水曜日にミシェル・ウィー・ウェスト(米国)がホストを務めるオープニングライブが行われる。
第1ラウンドが行われる木曜は正午からUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の医師が健康に関するディスカッション、ゴルフセラピーが催され、午後3時からは特設スクリーンで全米オープンを観戦でき、その後はライブミュージックも開催される。
3日目にはハリウッドに本社を持つ『Netflix』が登場する。今年2月から公開されているドキュメンタリー『フルスイング』のプロデューサーとのQ&Aが行われ、夜にはコメディショー。
最終日は“チャンピオンシップ・サンデー”と題して、ESPNのスポーツキャスター、スタン・バレット氏が登場。最終ラウンドを観戦したあとはクロージングパーティもあるという。また全米オープンのグッズが買えるショップも設置される。入場は無料だ。「LAのスポーツファンがもっと楽しめるようにした」。USGAにとって初の試みとなる。(文・武川玲子=米国在住)