軟鉄のアイアン好きにおすすめな『MX-I FORGED』 全面溝ウェッジも魅力的!
ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る、貧打爆裂レポートのロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、ギアについての噂の検証をします!実際にゴルフコースに持ち込んで、動画を撮影しながらラウンドしたレポートです。
配信日時:2024年5月16日 08時30分
ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。
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【注目ポイント】
ミズノの『MX-I FORGED』は、2024年2月20日に直営店限定(公式オンランショップ含む)で発売。『MX FORGED PRO』アイアンと同時発売で、「軟鉄と言えばミズノ」というファンのためのアイアンとして注目されています。『MX-I FORGED』のコピーは、“軟鉄鍛造の打感を求めるゴルファーへ。セミラージサイズでやさしさを追求。”です。
ミズノのアイアンは特別で、他のメーカーには真似が出来ないからね、という上級者ゴルファーがいます。一般的な鍛造アイアンは、ヘッドとネックは別に作って、圧着するのですが、ミズノは1本の棒を鍛造してネックからヘッドを分離しないでヘッドを作ります。世界で唯一の製造法が独特の打感を生むからという神話のようなエピソードに支えられています。(現実で、本当の話です)
近年は、軟鉄ではなく、クロムモリブデン鋼も同様に鍛造することができるようになって、ミズノはその分野で独走状態にあります。しかし、固いので薄く出来るクロムモリブデン鋼の打感では満足できない軟鉄アイアンのファンは確実に存在するのです。
軟鉄鍛造は、マッスルバックのような一部のツアーモデルだけになっている中で、それを使える腕前ではない、と遠慮しているゴルファーのために開発されたのが『MX-I FORGED』です。
『MX-I FORGED』は、セミラージサイズのヘッド、深めのセミキャビティ、もちろん、軟鉄鍛造というアイアンです。ある意味でミズノの専売特許で、得意中の得意というアイアンです。
7番アイアンのロフトは30度。クラシックなロフトのアイアンより1番手アップの飛距離は保証されている飛び系のアイアンです。余計なことを書かなくとも、わかる人にはわかるアイアンが『MX-I FORGED』です。
ちょっと面白いと思ったのは、オプションのウェッジです。50度と56度のウェッジのフェースが、トゥサイドまで全て溝が刻まれて、加工もされている全面溝仕様なのです。ミズノの市販品で全面溝のウェッジはないので、このオプションのウェッジだけを購入しても、意味があるというわけです。
試打した日は、晴れ、気温は7℃~23℃。微風でした。ボールは、使い慣れていて、クラブの影響だけに集中できる『TOUR B X』です。『MX-I FORGED』は、どんな人向けなのか? 楽しみながら打ってみました!
【打感・打ち応え】
『MX-I FORGED』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさ。音質は、少し高音の濡れた鞭系で、美しく落ち着く音です。打ち応えは軽めで、手応えは芯感がクリアで敏感。透明で濁りがない感じはお見事です。
【弾道・球筋・スピン性能】
『MX-I FORGED』の弾道は、高弾道。伸びすぎない理想的なボールが打てます。ボールの曲がりは鈍感です。少しのミスヒットは助けてくれます。スピン性能は、強烈で、戻ろうとするかかり具合です。特にウェッジは強烈。
【飛距離性能】
『MX-I FORGED』は、通常のクラシックなロフトのアイアンより1番手飛びます。少しスイープ目に当たるほうが、安定して飛距離が調整できると感じました。
【ロマン派ゴルフ作家語る】
『MX-I FORGED』は、軟鉄のアイアンが好きな人のために作られたアイアンです。蓄積した技術を凝縮して、現在の最先端のアイアンに負けない性能を発揮するように見事な完成度を誇る仕上がりでした。
改めてヘッドを観察してみると、キャビティというよりセミキャビティという感じで、奇をてらわない正当な印象を与えるバックフェースです。そして、ヘッドの大きさがちょうど良いと感じました。大きすぎず、小さすぎずでちょうど良い打ちやすさにつながります。
50度と56度のウェッジは全面溝で、これも大きすぎるフェースが多い中で、シャープで好感触でした。このウェッジは、プレーンバックというか、マッスルバックになっていて、より本格的な雰囲気に仕上がっています。このオプションのウェッジだけを購入しても良いと、試打ラウンド中に考えました。(特に56度は使い勝手が良い)
多くのゴルファーが使えるアイアンらしく、ヘッドスピード40m/sの僕に合わせてあるような感じがしました。全く練習しなくとも、3ホール目ぐらいから、自分のアイアンのように使えましたし、要望に応えてくれて、実に気持ち良くゴルフが出来ました。
最終ホールを終えたときに、やはり打感にこだわるならアイアンは軟鉄鍛造だね、と呟きました。スコアだけではなく、心も満足させるアイアンが『MX-I FORGED』です。
とにかく、アイアンが好きなゴルファーに『MX-I FORGED』にオススメします。スコアを作るのがアイアンの仕事ですが、ただ距離を安定させるだけではなく、しっかりと飛ばして安定させるというレベル違いのアイアンになっているのが『MX-I FORGED』だったのです。
【試打ギアスペック】
『MX-I FORGED』
ヘッド素材 マイルドスチール(S25CM)
ロフト #5/24度、#6/27度、#7/30度、#8/34度、#9/39度、PW/43度、50/50度、56/56度
シャフト N.S.PRO 950GH neo (S)
【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」
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