<東建ホームメイトカップ 初日◇28日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7069ヤード・パー71>
2024年シーズンの国内男子ツアーが開幕した。26歳の大岩龍一はQT11位の資格で今季はレギュラーツアーに出場する。初日は3バーディ・2ボギーの「70」で回り、1アンダー・61位タイで第2ラウンドに進む。
大岩は男子プロゴルファーのなかでも珍しく、パターのヘッドがPINGの『GLE3 LOUISE(ルイーズ)』と女性用のヘッドを使用している。長さは自身に合わせて34インチで組み立て。パターへの考え方はそれぞれあるが、大岩のなかで「軽いほう」が自身のストロークに合っているからだと話す。今年はこのパターを武器にバーディを量産していく予定だ。
さらに、ドライバーのシャフトにも変更があった。2年間使用していたシャフトから藤倉コンポジットの『24ベンタスブルー』に差し替え。「切り返しのタイミングがとても合っていた」というのが変更の理由だ。
「以前も前の青ベンタスを使用していたんですけど、2年間使ったので変更しようかなと思ったのがキッカケです。それで24ベンタスブルーをテストしてみようかなという感じで」と今年の1月にテストを実施。「切り返しのタイミングがすごく合った」と振り心地がかみ合い、組み合わせることに決めた。
さらにドローヒッターの大岩はPINGの『G430MAX』ヘッドに同シャフトを先詰め(ヘッド側の先の部分を0.5インチカット)して、しなりを軽減させている。基本的にシャフトをヘッドに組み合わせるときはグリップ側の先部分をインチカットしてからとなる。ヘッド側をカットすることで先のしなりが減り、球の曲がり幅を抑えやすくなる。球のバラつきを減らすために、しなりを軽減させたかった大岩は先詰めを行った。
そしてロフト角は12度と女性用のドライバーと同等に寝かせている。PINGのクラブ担当者にその背景を聞くと「元々スピン量が少ない選手なので、球があまり浮かなかったんです。最近のドライバーは結構ロースピン。それが逆に大岩選手にとって上がらなくしている原因。それも含めてロフトが入るようにしました」と明かした。ロフトが寝ているヘッドを入れることで弾道が高くなり、キャリーで距離を出せるようになったという。
ロフトを寝かせたのは、アイアンもだ。「顔が好き」なPINGの新製品『ブループリント』を投入。「飛びすぎてしまうので、2度寝かせました」とドライバーとは逆に、飛距離を抑えるために、ロフト角を調整したという。アイアン、ドライバーなど含めて13本のクラブ、シャフトなどをチェンジ。オリジナルの新しいセッティングで24年シーズンをスタートさせている。
来季のシード権獲得のためにも、第1回リランキングの「フジサンケイクラシック」までに結果を積み上げたいところ。“大岩流”のセッティングでシード奪還の戦いに挑む。(文・高木彩音)