<東建ホームメイトカップ 事前情報◇29日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>
2020年から大幅なスイング改造を始めて4年目。今年は石川遼の真価が発揮される年でもある。国内男子ツアー開幕戦を翌日に控え、9ホールの練習ラウンドで最終調整を行った。過去3年とやっていることは「何も変わっていない」と強調し、ブレない姿勢で23年をスタートさせる。
今年は2月までラウンドはあまりせず、練習に加えて上半身と下半身をつなぐ体幹のトレーニングが中心。スイング固めと安定感を高める肉体づくりを行った。この3年間、ブレない姿勢を続けたことの成果は感じる。「やっていることは同じでも、同じことを積み重ねていくことが増えれば、いい意味でちょっとずつ感覚が出る。気づいたら芯に当たる回数が増えたりとか、進歩を感じる部分はある」と話す。
再現性の高いスイングを求めた。トップをコンパクトにして、クラブの入射角をシャローにするなど、素人が見ても以前とは形の違うスイングに変わった。「これまでの3年の大きな課題はスイングの形を整えること。今までやったことのない動きを取り入れて、試合と練習を繰り返す中で悪くなったものを修正してきました。今年は、ほぼ微調整で済みそう。すごい細かいレベルで調整して、想定内に飛んでいる感じをどれぐらいの精度で保てるのか。(試合で)知りたいし、同じことをやっているけど、違う段階というか、そう感じます」。スイングも体に染みつきはじめて、実戦の中でどういう結果になるのか楽しみにしている。
スイング改造当初を振り返ると「(当初は)やっぱり相当違和感のある、自分にとって気持ちのいい動きではなかった」という。だが、3年間続けてきた結果、「自分が望んでここまでやってきて、ようやく本当に気持ちよく振っても今のスイングと変わらなくなるぐらい、やっと体に染み込んできた。クラブヘッドまで神経が通っているような段階になったと思います。クラブまで神経が通っていない状態で打たざるをえなかったので、この3年間はきつかったです」。石の上にも3年。「油断はできない」としながらも、軸となるスイングの形は身についてきたと実感する。
気持ちよく振って今の形になってきたことで、自然とスイングスピードも上がってきた。「今は力を込めて振っているスイングは、1年前はゆっくりならできたし、2年前はゆっくりでもボールがあるとできなかった。自分が思っている3年前に思い描いていたスイング以上の形になっているので、すごく幸せな状態でゴルフができています」とうなずく。プロデビューした頃から、毎年のようにスイングの形を意識することがあったが、「これからはスイング云々っていう話は、あんまり僕からしなくなるかも。スイングをこうしているという話はだいぶ減ると思います」とも付け加えた。
開幕戦に挑むにあたっても、姿勢がぶれることはない。「自分のやっていること、ゴルフにおいて取り組んでいること、試合でやりたいことが細かくあるので、そことの戦いかなと思っている。自分自身が掲げている課題に向き合って、コツコツやる。その先に結果がつながっていると考えているので、結果が出せるようにやっていきたい」。昨シーズンでは3年ぶりに優勝を挙げたが、それで満足していない。さらなる高みを目指して「いい一年だった」と言えるようにコツコツと戦う。