<フジサンケイクラシック 最終日◇3日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7424ヤード・パー70>
首位と1打差の4アンダー・2位から出た片岡尚之は、4バーディ・4ボギーの「70」。優勝した東北福祉大の1学年後輩・金谷拓実に4打差で敗れ単独2位に終わった。ツアー2勝目とはならず、「最終日にスコアを伸ばすことができず、自分のゴルフに対して悔しいです」と振り返る。
今シーズン2度目の最終日最終組をプレーした片岡は、あまり緊張せずプレーできていたという。6番パー5では、5メートルほどのバーディパットを沈め、この日初バーディ。10番パー4では、ピンまで154ヤードを約2メートルにつけてバーディを奪うなど、随所に好プレーは生まれた。それだけに「やっぱりボギーがちょっと多かった。特にフェアウェイからのボギーが多かったので、アイアンだったり、アプローチ、パターだったりがもう少し足りないんじゃないかなと思いました」とスコアを伸ばせなかった理由を分析する。
そして、最終日に一緒にラウンドしたのがツアー5勝目を挙げた金谷だ。後輩は4バーディ・1ボギーの「67」と隣で圧巻のプレーをみせていた。日頃から仲がいいが「どうせ、これも入るのでしょって感じで、ずっと見ていたので、あまり意識してゴルフしてなかった。意外と集中できたっていうのはあった。落ち着いてプレーはできましたね」と、自分の世界に没頭した。
しかし、「17番(金谷がグリーン外からパターで沈めたバーディ)はさすがに笑っちゃいましたね。死体蹴りみたいな(笑)。3打差もついてるのに。そんなとこからいれなくていいでしょって笑っちゃいました」。改めて、金谷のすごさを聞かれると「本当にミスをしない。ちょっと長いパーパッドが残ってもしっかり決めますし、1つのミスでそのホール全体を悪くするってことはない。しっかりリカバリーをしますし、やっぱりすごいなと思いました」と後輩を誉めたてた。
それでも、片岡自身にも収穫はあったという。「4日間オーバーパーを打たなかったっていうのは、すごいうれしいですね。今年(のコース)は本当に難しかったので、周りのすごいプロとかも軒並み落としている中、4日間オーバーパーを打たなかったっていうのは自信につながります」。100ミリに設定された深いラフやアウトコースとインコースが入れ替わるなど、高難度にセッティングされた今年の富士桜で結果を残したことは素直にうれしい。
片岡は、来週の日韓亜共同開催の「Shinhan Donghae Open」(韓国・クラブ72 CC オーシャンC)に出場予定。当面は、日本オープンまでの賞金ランキング8位までの選手が出場することができる日本開催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(10月19日開幕)の出場を目指していく。
現在片岡の賞金ランキングは15位。来週以降も上位進出を果たし、さらに稼ぐことが求められる。「去年は推薦をしてもらい出場することができましたが、自分の力で勝ち取りたいという気持ちが強い。世界のトッププロたちといい経験ができる場所なので出たいなと思います」。モンスターコース・富士桜でつかんだ自信を糧に、世界のトップランカーが集まるひのき舞台に出場するため励み続ける。(文・神吉孝昌)