<アセンダントLPGAベネフィッティング ボランティアーズ・オブ・アメリカ 2日目◇6日◇オールド・アメリカンGC(米テキサス州)◇6517ヤード・パー71>
カットライン圏外からの浮上を目指した渋野日向子は、前半2度のバウンスバックでしがみついたものの耐えきることができなかった。後半は15番からの3連続ボギーを含む4ボギーと落として「75」。トータル6オーバーで順位も100位以下まで沈み、2週連続の予選落ちが決まった。ホールアウト後には「シードがかかっているから…。アジア4つ戦えるのがすごい今はありがたいと思っています」と言葉をつまらせながら、涙を流した。
ポイントランキング76位で迎えたテキサス戦。シーズン終了時に80位にまで与えられる来季シード権のボーダーラインが背中にせまってきているなか開幕した。ランキング上位60人のみが出場できる最終戦を除けば、今大会を入れて残り6試合。目の前のプレーだけでなく、考えなければならないことがたくさん頭を埋めているなか、上位を目指して精一杯プレーした。だが、4日間を戦い抜くことができずに予選落ち。これはポイントも獲得できないことを意味する。一日を振り返る渋野の声は徐々にか細くなっていき、最後はなんとか紡ぎだすように…という状況だった。
浮上を目指した2日目も、「集中はできていた」。落としてもすぐさま獲り返してと流れは切らさなかったが、後半の12番を3パットボギーとしたところからズルズルと後退した。耐えたい終盤にはパーオンを逃がし、アプローチのミスも立て続けに起こる。「前半チャンスが少ないなか、なんとかイーブンパーで回れたのはよかったけれど、後半崩れてしまったのが悔しいです」。自分を責めながら、「残念」という言葉を3度もこぼした。
先月10日に終了した2戦前の「クローガー・クイーンシティ選手権」終了時のポイントランキングにより、繰り下がりではあるが、中国、韓国、マレーシア、そして日本と続くアジアシリーズの出場は決まっている。苦しい時期が続いているが、出場人数が絞られるトーナメントに出場できることに感謝する気持ちを最後に口にして、コースを後にした。やまない雨がないように、この涙が残り少ないシーズンの糧になることを願いたい。(文・笠井あかり)