ALBA Net  ゴルフ

注目!
ツアー情報

PGAツアー

米国男子

WMフェニックス・オープン

日程 2023年2月9日-2月12日賞金総額 $20,000,000

松山英樹に続く連覇達成 S・シェフラーはなぜ強くなった?【舩越園子コラム】

スコッティ・シェフラーが大会連覇を果たし、世界ランキング1位返り咲きとなった。ゴルフジャーナリストの舩越園子はその戦いぶりをどう見た?

所属 ライター
舩越 園子 / Sonoko Funakoshi

配信日時:2023年2月13日 12時00分

「WMフェニックス・オープン」最終日の優勝争いは、昨年大会の覇者、26歳のスコッティ・シェフラー(米国)とカナダ出身の34歳、ニック・テイラーが一時は首位に並ぶ熱戦になった。

昨年のマスターズ・チャンピオンでもあるシェフラーが13番(パー5)で鮮やかなイーグルを奪えば、テイラーもすかさずバーディを奪取して食い下がる。そんな2人の運命を分けたのは、大観衆が狂喜するスタジアム形式の16番(パー3)だった。

どちらもグリーンを外した後、シェフラーが5メートルのパーパットをしっかり沈めたのに対し、テイラーは2メートルを外して、この日、初ボギーを喫した。17番でもシェフラーがバーディパットを沈めた一方で、テイラーは再び短いパットを外し、パーどまりとなった。

3打リードで迎えた18番。シェフラーはティショットを大きく右に曲げながらも、着実にパーを拾った。テイラーは最後にバーディを奪い返して意地を見せたが、時すでに遅し。2打差で抑え込んだシェフラーが松山英樹(2016年&2017年)に続く大会史上7人目の連覇を達成し、通算5勝目を挙げた。

「今日は終始、冷静さを保ちながら、いい流れでプレーできた。16番のパットが何より大きかった」

マイクを向けられたシェフラーは、最初は淡々と振り返っていたが、この優勝で世界ランキング1位に返り咲いたことへの感想を求められると、喜びが一気にあふれ返り、笑顔を輝かせた。

「いいねえ。そりゃあ、いい気分だよ」

シェフラーは昨季最終戦の「ツアー選手権」最終日を単独首位で迎えながら、ローリー・マキロイ(北アイルランド)に逆転勝利され、目前だった年間王者の座を奪い去られた。

今大会では、そのマキロイから王座を奪い返し、リベンジを成し遂げた形になったが、シェフラーが喜んでいたのは、執拗なゴルフで勝利をつかみ取った自身の戦い方だった。

最終日のティショットは出だしから乱れ、初めてフェアウェイを捉えたのは8番だった。「ティショットも良くなかったけど、アイアンもシャープではなかった。その中でよく踏ん張れた。決してベストなゴルフではなかったけど、グレートな戦い方ができた」。

惜敗したテイラーはPGAツアー通算2勝の実績だが、昨今の成績は振るわず、今大会には世界ランキング223位から挑んだ。それでも最終日にシェフラーに追撃をかけ、一瞬でも彼を捉えて渡り合ったテイラーの戦いぶりは大健闘だったと言っていい。

13番までは6バーディを奪って勢いづいたが、16番でパーパットを外したショックを引きずるかのように17番で絶好のバーディチャンスを逃したことが、テイラーの唯一のミスだった。その負け方は、昨年のツアー選手権におけるシェフラーの負け方と通じるものがあった。

シェフラーはミスがミスを呼ぶ連鎖を断ち切り、小さなミスを大ケガに繋げないことを肝に銘じていた。だからこそ、72ホール目のティショットを大きく曲げても動じることなくパーで収め、この日をノーボギーで回り切り、大会連覇と世界一の座を手に入れることができたのだろう。

「最後(のウイニングパット)が、たった6インチのパットになってくれるなんて想像もしていなかった」

昨年大会は2打差から逆転勝利してツアー初優勝を飾り、「アーノルド・パーマー招待」で2勝目、「WGC-デル・テクノロジーズ・マッチプレー」で3勝目、そして4月の「マスターズ」でメジャー初優勝を挙げた。

シェフラーにとって、この大会はすべてが始まったスターダムへの出発点。そして、このTPCスコッツデールは永遠に「初めて勝った特別な場所」であり、「常に初心を思い出させてくれる故郷のようなスペシャルな場所」だという。

「これからもハードワークを続け、立ち止まることなく前進していく」

シェフラーの視線の先にあるものが、マスターズ連覇であることは、疑いようもない。

文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

関連記事

この大会のニュース

PGAツアー 週間アクセスランキング


大会情報

  1. 国内女子
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    明治安田レディス
  2. 米国男子
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    全英オープン
  3. 米国男子
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    バラクーダ選手権
  4. ステップ・アップ
    開催前
    2025年7月17日 7月19日
    あおもりレディス
  5. DPワールド
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    全英オープン
  6. DPワールド
    開催前
    2025年7月17日 7月20日
    バラクーダ選手権
  7. アマチュア・その他
    開催前

おすすめコンテンツ

関連サイト