<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇最終戦 マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーファイナル◇15 日 事前◇PGM総成ゴルフクラブ(千葉県)◇6495ヤード・パー72>
静ヒルズCC(茨城県)で開催されたJLPGAプロテスト第2次予選3日目。「初日に39度の熱があって、2日目までプレーしましたが、さすがにしんどくて。3日目の朝に棄権しました。そのときは40度ありましたね」。吉田莉生の今年の挑戦は思わぬ形で幕を閉じてしまった。
「また来年プロテストを受けないとだめなのか」という感情だったと振り返る吉田。終わってしまったものは仕方ないと気持ちを切り替えたものの、体調が回復してから「狙ったところに打てないし、距離も合わない。どんどん悪いほうにいってました」と、スランプに陥ってしまった。
ただ、「スイングのテンポがどんどん速くなって、打ち急いでいたと思います」と、不調の原因が分かった今は、「徐々に調子が上がっています」という。それでも「今はまだ5段階で2もいってないくらい」と万全の状態ではない。
そんな吉田だが、今日から始まるマイナビ ネクストヒロインツアー最終戦「マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーファイナル」に出場する。今大会には、レギュラーシーズン14戦の優勝者、ポイントランキング上位30名、プロテスト合格者、ワイルドカード戦を勝ち抜いた4名の実力者だけが参戦できる。
吉田は今季から参戦した“ルーキー”。開幕戦こそ「強風で、何もかみ合わなかった」と48位タイに終わったが、徐々に調子を上げ、トップ5に3回入るなどの活躍を見せて、ポイントランキング14位と堂々たる結果を残した。
最終戦は賞金総額1000万円、優勝賞金500万円のビッグゲーム。初めての舞台、ましてや調子が上がっていないなかで、緊張や不安があると思いきや「全然ないです」と一言。ネクストヒロインツアーを通して「ショット自体はあまり変わっていませんが、アプローチとパターは思ったとおりに打てるようになってきました」と成長を実感できているからこそ、ショットの調子が悪くても「アプローチとパターでなんとかするしかない」と、覚悟が決まっている。
「コースも難しいので、打っちゃダメなところを意識しないといけない。今までの試合より、もっとちゃんといろいろ考えてやりたいと思います。少しでも順位を上げられるように、一打一打集中して、最終的に優勝できるように頑張ります」。身長150センチと小柄なものの、度胸が据わっている吉田。番狂わせでの初優勝への期待も大きい。(文・杉本夏希)
※ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。