今年もやってくれそうな雰囲気だ。PGMリゾート沖縄で行われた男女プロのペアマッチ「HEIWA・PGMチャリティゴルフ」で、河本力は姉の結とタッグを組んで優勝。その手にはキャロウェイの新作ドライバー『パラダイム ◆◆◆(トリプルダイヤモンド)』が握られていた。
昨シーズンは『ローグST ◆◆◆』を使用し、「ヘッドスピード56〜57m/s、飛ばすときはキャリーで330〜340ヤード」という飛距離を武器に2勝を挙げて賞金ランキング9位と躍進。ドライビングディスタンスでは2位に大差をつけてタイトルを獲得した。早く世界の舞台で見てみたいと思わせる若手の一人だ。
初めて実戦投入したという河本に『パラダイム』の感触を聞いた。「パラダイムでの試合が初戦だったのでそこだけが不安だった」と河本。セッティングを見てみると、ドライバーと3番ウッドの2本を『パラダイム』に変更しただけで、ほかのクラブは昨年から入れ替えなし。「(優勝争いをしていた)18番は特に緊張していて、そのなかであのショットが打てたのでパラダイム最高です。不安がなくなりましたね」。
524ヤードの18番パー5のティショットは、右からのフォローにフェードでぶつけて、残り157ヤード地点まで運んだ。追い風参考とはいえ、クラブハウスに向かって上っていくホールで370ヤード近く飛ばしたことになる。
「バーディチャンスをいっぱい作れたのもパラダイムのおかげだと思っていますし、緊張の中でフェアウェイに打ち続けられたのは、すごくいいドライバーの証拠。18番は別として、アゲンストで低い球を求められたときにも思い通りの球が打てる。ミスがミスにならない」と試合でも使える確信を得た。上がりの18番とは反対方向に打っていく10番パー5では、海から吹く強烈なアゲンストを低い球で切り裂き、ミドルアイアンで2オンできる位置まで飛ばしている。
飛距離については「正確なところはわからないですけど、平均で1ヤード以上は絶対に伸びている」と感じている。最新ドライバーに飛距離を期待する一般ゴルファーからすれば、たった1ヤードと思うかもしれない。「伝わりにくいかもしれないですけど、シーズン通してみたら相当な飛距離になる。去年のドライバーもすごい良かったですから、さらに1ヤード伸びるのは道具の進化でしかない」と河本は話す。
「僕に合うまでクラブを調整してくれたスタッフの思いにも応えられそうな感じで、いい試合になりました」と、体もスイングも道具も3月下旬の国内男子ツアー開幕に向けて、順調に進んでいる。このあとはニュージーランドに渡り、3月2日に開幕する「ニュージーランドオープン」に出場する。
また、河本が憧れているジョン・ラーム(スペイン)の活躍も大きな刺激となっている。ラームは今年に入って5戦3勝という驚異の強さをみせ、先週、世界ランキング1位に返り咲いたばかり。「やっぱり今の世界最強は彼かなと思う。ドライバーは飛ぶし上手いし、アイアンショットも切れているし、グリーン周りのアプローチもめちゃくちゃ上手いし、パターも入る。オールラウンダーというか、なりたい選手の完璧な理想像。いつかはああなれるように、あれを超えられるように」。22歳は世界一を目指して進み続ける。(文・下村耕平)
【河本力のクラブセッティング】
1W:キャロウェイ パラダイム ◆◆◆(9.0度/ベンタスブラック 6TX)
3W:キャロウェイ パラダイム ◆◆◆T(3HL16度/ベンタスブラック 8TX)
2U:キャロウェイ X FORGED UT(18度/DG AMT X100)
3,4I:キャロウェイ APEX TCB(DG EX TOUR ISSUE X100)
5〜9I:キャロウェイ APEX MB(DG EX TOUR ISSUE X100)
48,54度:キャロウェイ JAWS RAW(DG EX TOUR ISSUE X100)
60度:キャロウェイ JAWS プロトタイプ(DG EX TOUR ISSUE X100)
PT:オデッセイ ホワイトホットOG ROSSIE S
BALL:キャロウェイ クロムソフトX LSトリプル・トラック