オフィシャル・ワールド・ランキング・ゴルフ(OWRG)は10日、昨年よりポイント獲得の申請を受けていた「LIVゴルフ」に対し、申請却下を正式に決定した旨の手紙を送付、HP上でもその書面を公開した。
宛先はLIVゴルフのCEO、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)と、チーフオペレーションを務めるゲーリー・ディビットソン。OWRGの会長、ピーター・ドーソン氏の署名入りで、「ポイント獲得の申請について理事会で再び協議した結果、満場一致でLIVツアーは世界ランキングのポイントを獲得できるに適しているゴルフツアーとは認定できないとされた」と明確に記された。
問題点は、48選手だけが出場し、54ホールをショットガンでプレーし、さらに予選落ちがなく、また出場選手に資格基準がないことが挙げられ「世界ランキングシステムの下でプレーしている他の24ツアーと適合しない」とし、「これらのツアーに出場するために何千ものゴルファーが戦っている」とドーソン氏。一方でLIVゴルフのフォーマットなどの改革が行われ、OWRGの条件に適合すれば今後はポイント付与の可能性はあるとした。
LIVゴルフの選手は現時点では米PGAツアーは出場できず、メジャー大会やDPワールド(欧州)ツアーで得たポイントだけが反映されている。ノーマンCEOは「LIVゴルフの選手が世界ランキングに入らなければ、そのランキングは正確ではない」と発言していた。LIVゴルフをバックアップするサウジアラビアの政府系ファンド、PIFのヤシル・アルルマヤン会長は先週のDPワールド(欧州)ツアー「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」でドーソン氏、R&Aのマーチン・スランバー会長と同組でプレーをしていた。
OWRGの理事会メンバーにはPGAツアーのジェイ・モナハン会長、全米ゴルフ協会(USGA)、全米プロゴルフ協会(PGA・オブ・アメリカ)、オーガスタナショナルGCなどで構成されている。(文・武川玲子=米国在住)