今季、超絶好調。投入してからほぼTOP10!西郷真央の強さに『ST-X 220』はどう貢献?
昨年シルバーコレクターと呼ばれた西郷真央が、“優勝製造機”と化しています。なぜ、ここまで勝てるのか? 進化をサポートするミズノの担当者に根掘り葉掘り聞きました。(GettyImages)
配信日時: 2022年4月15日 07時00分
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禁断の高初速素材「フォージドβチタン」を生かすには?
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禁断の高初速素材である、フォージドβチタン性フェースのドライバーはミズノだけ!
今年の西郷真央は、とにかく強い。何しろ昨季ボールストライキング2位(トータルドライビング1位/パーオン率3位)だったが、今季はついにトップに君臨。ツアーでドライバー、アイアンの「ショット力」で最も優れた選手なのだ。
昨年10月に替えたミズノ『ST-X 220』ドライバーは、禁断の素材である「フォージドβチタン」を最大限に生かすため、カーボン面積を40%も拡大して後方ウェイトを増大。MOIアップによって、よりスイートエリアが拡大されている。ショット力に最も優れる西郷にとって、【鬼に金棒】とはこのことだろう。
▶▶▶ミズノ『ST-X 220』『ST-Z 220』はなぜ飛ぶのか? 【βチタン】フェースの有用性を考える
元々、前作『ST-X』や前々作『ST-200X』もこの禁断素材を使い【高初速✕低スピン】を追求してきたが、今作は【安定性】が追加されたことが、彼女の成績に如実に繋がったのか。(事実、FWキープ率は2%近くUP)現場の実感を、サポートするミズノのツアー担当に聞くと、下記のように話す。
昨年10月に替えたミズノ『ST-X 220』ドライバーは、禁断の素材である「フォージドβチタン」を最大限に生かすため、カーボン面積を40%も拡大して後方ウェイトを増大。MOIアップによって、よりスイートエリアが拡大されている。ショット力に最も優れる西郷にとって、【鬼に金棒】とはこのことだろう。
▶▶▶ミズノ『ST-X 220』『ST-Z 220』はなぜ飛ぶのか? 【βチタン】フェースの有用性を考える
元々、前作『ST-X』や前々作『ST-200X』もこの禁断素材を使い【高初速✕低スピン】を追求してきたが、今作は【安定性】が追加されたことが、彼女の成績に如実に繋がったのか。(事実、FWキープ率は2%近くUP)現場の実感を、サポートするミズノのツアー担当に聞くと、下記のように話す。
西郷が気に入る“すわりの良さ”。右抜けも減
「まず、一番良くなったのはアドレスした時の“すわりの良さ” ですね。ここはプロが一番大事にする部分で、ターゲットにセットしやすいと始動もスムーズに行え、さらに安定したスイングを作り出せることが成績の出る一番の要因では。弾道も前作『ST-X』より【右への曲がり幅が少なくなった】と言っていますね。
弾道も少し高くなりました。サイドスピン量が減り、インパクトでヘッドがしっかり戻ることでよりつかまるようになっています。FWキープ率の上昇、ミスしてもファーストカットでボールが留まってくれる状態が多いのも、安定した成績を残せる要因の1つと考えられますね」(ツアー担当者)
卓越したアイアンショットに加え、オフに磨きあげたアプローチもある。2打目を打ちやすい場所に運べれば、必然的に昨年以上に他の選手より有利ということか。ただ、FWキープ率は上がっても、平均飛距離で少し下がって見えるのが気がかりだが?
弾道も少し高くなりました。サイドスピン量が減り、インパクトでヘッドがしっかり戻ることでよりつかまるようになっています。FWキープ率の上昇、ミスしてもファーストカットでボールが留まってくれる状態が多いのも、安定した成績を残せる要因の1つと考えられますね」(ツアー担当者)
卓越したアイアンショットに加え、オフに磨きあげたアプローチもある。2打目を打ちやすい場所に運べれば、必然的に昨年以上に他の選手より有利ということか。ただ、FWキープ率は上がっても、平均飛距離で少し下がって見えるのが気がかりだが?
初速が上がり、同時期比較で「飛んでる」
「現状数値だけ見ると昨対ダウンですが、昨年のこの時期の試合や練習ラウンド比較だと明らかに飛んだホールが多くあり、本人は【距離が出ている】と実感している模様です。実際、トラックマンデータでも前作『ST-X』よりボール初速も少し速くなっていますし。
スライス回転のサイドスピンが減ってつかまりも良いですし、高弾道でもスピン的に吹き上がってもいない。ボール初速が速くなると球離れを早く感じる傾向ですが、打感もあるのか、むしろ【ボールがちゃんと喰いついた感じがある】とのことです」(同)
ヘッドが高MOI化すると、よく起きがちなのが「真っすぐ右に抜ける」ミス。フェースの向いた方向に飛ぶプッシュと、それを嫌がって引っ張りこむというミスの連鎖が起きがちだが、『ST-X 220』は【つかまり✕高初速✕低スピン】。
「スクエアストライクデザイン」と呼ぶつかまりは健在で、高MOIでありながら重心距離を短く設定。二律背反する「スイートエリアの拡大」と「ヘッドの返しやすさ」を両立させていた。また、担当者は西郷自身のオフトレの成果も「身近に見てきて感じる」とも。
スライス回転のサイドスピンが減ってつかまりも良いですし、高弾道でもスピン的に吹き上がってもいない。ボール初速が速くなると球離れを早く感じる傾向ですが、打感もあるのか、むしろ【ボールがちゃんと喰いついた感じがある】とのことです」(同)
ヘッドが高MOI化すると、よく起きがちなのが「真っすぐ右に抜ける」ミス。フェースの向いた方向に飛ぶプッシュと、それを嫌がって引っ張りこむというミスの連鎖が起きがちだが、『ST-X 220』は【つかまり✕高初速✕低スピン】。
「スクエアストライクデザイン」と呼ぶつかまりは健在で、高MOIでありながら重心距離を短く設定。二律背反する「スイートエリアの拡大」と「ヘッドの返しやすさ」を両立させていた。また、担当者は西郷自身のオフトレの成果も「身近に見てきて感じる」とも。
筋力アップ、素振り棒の効果も確実
「確実にトレーニング、素振り棒の成果は出ていると思います。もともと下半身の安定度は抜群でしたが、今年は更に安定度が増したなと感じます。本人も言っていますが、【アゲンストの風でも強いボールが打てるようになった】のが、まさに体力アップの証かと考えられます。
加えて、アプローチの強化練習もかなり積んできたようです。実際、オフの間にウェッジに対する注文や要望も数多くありました。もう少しつっかかりを軽減させたい、芝の伸び具合、地面の硬さに対応できるバウンス加工など、状況に応じてさまざまですね」(同)
こういった豊富な練習量とたゆまぬ努力の末に、西郷が進化してきたことがよく分かるが、ドライバーのスペックなどに変更はあったのだろうか?
加えて、アプローチの強化練習もかなり積んできたようです。実際、オフの間にウェッジに対する注文や要望も数多くありました。もう少しつっかかりを軽減させたい、芝の伸び具合、地面の硬さに対応できるバウンス加工など、状況に応じてさまざまですね」(同)
こういった豊富な練習量とたゆまぬ努力の末に、西郷が進化してきたことがよく分かるが、ドライバーのスペックなどに変更はあったのだろうか?
春先は仮の姿。暖かければさらに進化!
「しっかりと振った時にヘッドの戻りが遅くつかまらないことがあるので【しっかり戻るシャフトを】と要望があってから『ベンタスブルー5S』に落ち着いていますね。スペック的には、シャフト長さ45.5インチ、バランスD1、先端ノーカットは去年と変更なしです。
ただ、ロフトは『ST200X』や『ST-X』より約0.5度少ない。オフに同じ『ST-X220』でロフトやフェース向きが微妙に違うものを色々試し、現在使用中のもの(昨年マスターズからリコーで使用したヘッドとロフトが違う)に満足は示しているものの、さらに飛距離アップを目指してヘッドのテストを繰り返しています。
具体的に、これからはオフと春先に比べて気温がかなり上昇しますよね。それに伴い、ヘッドスピードやボール初速も速くなりますが、スピン量が増えると逆に距離が出なくなる恐れもありますので、ヘッドスピードとスピン量がより最適になるヘッドを選択、目下調整中です」(同)
ただ、ロフトは『ST200X』や『ST-X』より約0.5度少ない。オフに同じ『ST-X220』でロフトやフェース向きが微妙に違うものを色々試し、現在使用中のもの(昨年マスターズからリコーで使用したヘッドとロフトが違う)に満足は示しているものの、さらに飛距離アップを目指してヘッドのテストを繰り返しています。
具体的に、これからはオフと春先に比べて気温がかなり上昇しますよね。それに伴い、ヘッドスピードやボール初速も速くなりますが、スピン量が増えると逆に距離が出なくなる恐れもありますので、ヘッドスピードとスピン量がより最適になるヘッドを選択、目下調整中です」(同)
つまり、春先は仮の姿であるにもかかわらず、この成績ということか。飛距離にこだわり抜き、ギアを“百試千改”で追求する師を持つ西郷のこと。既に手に入れている『ST-X 220』での安定感に、飛距離が乗ってくるこれからの季節。
春先で3勝なら、これからいくつの勝利を積み重ねることになるのか。『ST-X 220』で12試合中トップ10を外したのが僅か1試合と、本格覚醒を迎えている西郷。その未来像を想像するだけで、末恐ろしい……。
春先で3勝なら、これからいくつの勝利を積み重ねることになるのか。『ST-X 220』で12試合中トップ10を外したのが僅か1試合と、本格覚醒を迎えている西郷。その未来像を想像するだけで、末恐ろしい……。