テーラーメイドの新しい『SIM2』シリーズってどんなクラブ?
数々の最先端テクノロジーでゴルフ界をあっと言わせた「SIM」の登場から1年。前作からさらなる進化を遂げた新しい「SIM2」がすでに米ツアーを席巻している。そこで、発売を来週に控えた「SIM2」の魅力を徹底検証した。
配信日時: 2021年2月9日 22時00分
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PGAツアートッププロが迷わずツアー投入。石坂友宏も10Yアップ!
2021年PGAツアー初戦で、世界ランク1位のダスティン・ジョンソンが手にしていたのは、ヘッドにライトブルーのリングが光る「SIM2」。多くのプロを勝利に導いた「SIM」シリーズの後継モデルとして、今もっとも注目を集めているクラブだ。
「SIM」の後継、「SIM2」を使うダスティン・ジョンソンは、「見た目も打感も素晴らしく、ボクが求める飛距離と安定感を備えている」と高評価。「SIM MAX」の後継、「SIM2 MAX」を使うコリン・モリカワは、「これまでよりもフェードの曲がり幅が小さくなって飛距離が伸びた」とコメントしている。
また、国内では今季テーラーメイドと総合契約を結んだ石坂友宏が、下記のように新ドライバーで今季ツアーを戦うことを明言。多くのトッププロが迷わずツアーに投入している「SIM2」シリーズ。今後、世界中のツアーと市場を席巻すること間違いなしだ。
「SIM」の後継、「SIM2」を使うダスティン・ジョンソンは、「見た目も打感も素晴らしく、ボクが求める飛距離と安定感を備えている」と高評価。「SIM MAX」の後継、「SIM2 MAX」を使うコリン・モリカワは、「これまでよりもフェードの曲がり幅が小さくなって飛距離が伸びた」とコメントしている。
また、国内では今季テーラーメイドと総合契約を結んだ石坂友宏が、下記のように新ドライバーで今季ツアーを戦うことを明言。多くのトッププロが迷わずツアーに投入している「SIM2」シリーズ。今後、世界中のツアーと市場を席巻すること間違いなしだ。
「新しい『SIM2』シリーズを初めて打ったとき、球の強さと直進性の高さに驚きました。風に強い低スピンの球がグングン伸びて、前作よりも初速が1m/s、トータル飛距離が約10ヤードアップ。打点がズレたときの曲がり幅も明らかに少なく、確実に性能が上がっています。
また、前作よりもクラウンの色が黒く締まって、トップラインの白い部分が強調。ターゲットラインに対してスクエアに構えやすいですし、後方の青いエッジもカッコいいですね。高機能クラブとして評価の高かった『SIM』よりも、さらに機能性とデザイン性が向上した『SIM2』。一体どんなテクノロジーが搭載されているのか興味津々です(石坂)
ここからは、テーラーメイド契約プロの石坂、そして同社のハードグッズプロダクト担当・高橋伸忠氏と共に「SIM2」シリーズ共通のテクノロジーを見てみよう。
また、前作よりもクラウンの色が黒く締まって、トップラインの白い部分が強調。ターゲットラインに対してスクエアに構えやすいですし、後方の青いエッジもカッコいいですね。高機能クラブとして評価の高かった『SIM』よりも、さらに機能性とデザイン性が向上した『SIM2』。一体どんなテクノロジーが搭載されているのか興味津々です(石坂)
ここからは、テーラーメイド契約プロの石坂、そして同社のハードグッズプロダクト担当・高橋伸忠氏と共に「SIM2」シリーズ共通のテクノロジーを見てみよう。
4つのパーツだけでできている『SIM2』。何がすごいのか、石坂が直撃!
石坂 去年「SIM」を打ったときに、飛距離と方向性の高さに驚きましたが、今度の「SIM2」はそれを超えていますね。
高橋 「SIM2」は、ツイストフェースやスピードインジェクションといった「SIM」のテクノロジーを継承しつつ、これまでにない画期的な構造で、さらなるやさしさを追求しています。
石坂 どんな構造なんですか?
高橋 まず、ボディ一体型のフェースとアルミリングでヘッドのフレームを作ります。そして、クラウンとソールを100%カーボンにしてヘッドの中央を軽量化。重量を前後に振り分けることで慣性モーメントを高めているのです。アルミリングは鍛造加工したあと、コンピューターミーリングで成型。反発性能が高いボディ一体型フェースとワンタッチで合体できます。
そして、軽量のリングの後ろには16〜24グラムものウェイトを装着し、重量のほとんどをフェースと後方に分散することで慣性モーメントがアップ。前作よりもスイートエリアが大幅に広がっています。また、ヘッドの周辺を金属のリングでつなげることで、打球音はカーボンの多いヘッドにありがちな軽い音ではなく、心地よく響く金属音になっています。
石坂 確かに今まで見たことのない構造ですが、青いリングにはそんな役割があったんですね。ボディとフェースの一体化にはどんなメリットがあるんですか?
高橋 「SIM2」は、ツイストフェースやスピードインジェクションといった「SIM」のテクノロジーを継承しつつ、これまでにない画期的な構造で、さらなるやさしさを追求しています。
石坂 どんな構造なんですか?
高橋 まず、ボディ一体型のフェースとアルミリングでヘッドのフレームを作ります。そして、クラウンとソールを100%カーボンにしてヘッドの中央を軽量化。重量を前後に振り分けることで慣性モーメントを高めているのです。アルミリングは鍛造加工したあと、コンピューターミーリングで成型。反発性能が高いボディ一体型フェースとワンタッチで合体できます。
そして、軽量のリングの後ろには16〜24グラムものウェイトを装着し、重量のほとんどをフェースと後方に分散することで慣性モーメントがアップ。前作よりもスイートエリアが大幅に広がっています。また、ヘッドの周辺を金属のリングでつなげることで、打球音はカーボンの多いヘッドにありがちな軽い音ではなく、心地よく響く金属音になっています。
石坂 確かに今まで見たことのない構造ですが、青いリングにはそんな役割があったんですね。ボディとフェースの一体化にはどんなメリットがあるんですか?
高橋 ヘッドは4つのパーツだけでできていて、必要な素材を、必要な形で、必要な場所に配置することで、飛びとやさしさを実現しています。また、ヘッドには一切溶接を行わず、接着剤だけで組み立てているので、溶接にかかる余分な重さがない分、設計自由度が高いんです。
「SIM2」のフェースは一見カップフェースに見えますが、実はフェースとボディの一体成型になっています。フェースの板材やカップフェースをボディに溶接すると、どうしても接続部分に厚みができ、周辺の反発性能が低下しますが、「SIM2」は一切溶接を施していないので、フェース周辺の反発性能が落ちていないんです。
石坂 『SIM』についていたフェースの青いポートはなくなったんですか?
高橋 「SIM」にも搭載されているテクノロジー「スピードインジェクション」は、いったんルール上限を超える高反発フェースを作り、フェース裏側の2か所のポートに樹脂を入れることでルールギリギリの反発性能を実現していました。そのため、フェースに2か所の穴を開けて樹脂を注入し、ポートで穴を塞いでいましたが、どうしてもポート周辺の反発が低下していました。そこで「SIM2」はトゥ側から1か所のポートに樹脂を注入。フェースのポートを取り外し、フェース全面の反発性能を上げています。
「SIM2」のフェースは一見カップフェースに見えますが、実はフェースとボディの一体成型になっています。フェースの板材やカップフェースをボディに溶接すると、どうしても接続部分に厚みができ、周辺の反発性能が低下しますが、「SIM2」は一切溶接を施していないので、フェース周辺の反発性能が落ちていないんです。
石坂 『SIM』についていたフェースの青いポートはなくなったんですか?
高橋 「SIM」にも搭載されているテクノロジー「スピードインジェクション」は、いったんルール上限を超える高反発フェースを作り、フェース裏側の2か所のポートに樹脂を入れることでルールギリギリの反発性能を実現していました。そのため、フェースに2か所の穴を開けて樹脂を注入し、ポートで穴を塞いでいましたが、どうしてもポート周辺の反発が低下していました。そこで「SIM2」はトゥ側から1か所のポートに樹脂を注入。フェースのポートを取り外し、フェース全面の反発性能を上げています。
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前作『SIM』シリーズではフェースの2箇所の青いポートから樹脂を注入していたが、『SIM2』シリーズはコレがなくなり、反発エリアが広がった
石坂友宏のエースになるのは『SIM2 MAX』だった!
高橋 石坂プロは3モデルの中で、どれがよかったですか?
石坂 最初は「SIM2」かなと思ったのですが、実際に打ってよかったのは「SIM2 MAX」でした。
高橋 「SIM2 MAX」は一番ニュートラルで万人向けのモデルですが、プロにも使えると?
石坂 ボクはもともと球が低いのですが、「SIM2 MAX」はボクが理想とする中弾道ボールで、もっとも飛距離が出ました。フェードボールなのにスピン量は2200回転前後と少なく、風の影響を受けにくいのもいいですね。打感もクラウンとソールがカーボンとは思えないほど力強い金属音で、しかも嫌な響きがないので気持ちよく打てました。
石坂 最初は「SIM2」かなと思ったのですが、実際に打ってよかったのは「SIM2 MAX」でした。
高橋 「SIM2 MAX」は一番ニュートラルで万人向けのモデルですが、プロにも使えると?
石坂 ボクはもともと球が低いのですが、「SIM2 MAX」はボクが理想とする中弾道ボールで、もっとも飛距離が出ました。フェードボールなのにスピン量は2200回転前後と少なく、風の影響を受けにくいのもいいですね。打感もクラウンとソールがカーボンとは思えないほど力強い金属音で、しかも嫌な響きがないので気持ちよく打てました。
高橋 「SIM2」はバックウェイトの重さが16グラムともっとも軽く、重心を浅めにしているので、もともと球が高い人やスピン量の多い人が強弾道で飛ばせるクラブです。石坂プロのように球が低めの人やフェードヒッターには、安定してつかまる「SIM2 MAX」のほうが合いそうですね。
石坂 少しヒールに当たったときでも飛距離と方向性が変わらないし、スクエアに構えられるので、狭いホールやプレッシャーがかかる場面でも安心して打てます。また、すごくラクに打てるのに強い球になるので、幅広いゴルファーの方が使えると思います。
石坂 少しヒールに当たったときでも飛距離と方向性が変わらないし、スクエアに構えられるので、狭いホールやプレッシャーがかかる場面でも安心して打てます。また、すごくラクに打てるのに強い球になるので、幅広いゴルファーの方が使えると思います。
高橋 「SIM2 MAX-D」はどうですか?
石坂 つかまりがよくて、球が上がりやすいですね。ボクはフェースがやや左を向いているのが気になりましたが、コスリ球で飛距離をロスしている人や、球が上がらない人は飛距離を伸ばせると思います。
高橋 3モデルとも基本的にやさしさを追求しているので、自分が打ちたい弾道に合わせて、ベストなモデルを選んでいただきたいですね。
石坂 ボクも「SIM2 MAX」を武器に、ツアー2勝、賞金王を目指して頑張ります!
石坂 つかまりがよくて、球が上がりやすいですね。ボクはフェースがやや左を向いているのが気になりましたが、コスリ球で飛距離をロスしている人や、球が上がらない人は飛距離を伸ばせると思います。
高橋 3モデルとも基本的にやさしさを追求しているので、自分が打ちたい弾道に合わせて、ベストなモデルを選んでいただきたいですね。
石坂 ボクも「SIM2 MAX」を武器に、ツアー2勝、賞金王を目指して頑張ります!
ギアマニアの横田真一が前作と比較。最も飛ぶのはどれ?
新しい「SIM2」シリーズの中から、石坂が選んだのは「SIM2 MAX」だった。では、他のモデルはどんな特性があり、どんな人に合うのか。Youtubeでゴルフマニアっぷりを発揮する横田真一が「SIM2」シリーズを全部テストすると?
「『SIM2』シリーズに共通するのは飛距離と直進性の高さ。前作と比べると、やさしく高弾道が打てる『SIM MAX』は、直進性が高い中高弾道で飛ばせる『SIM2 MAX』に。打感が柔らかく操作性が高い『SIM』は、強弾道で飛ばせる『SIM2』に。つかまり重視の『SIM MAX-D』は、力強いドローが打てる『SIM2 MAX-D』になっています。また、前作より全体的にシャフトがしっかりしていて、球の強さと安定感をサポート。見た目はシャープですが、打ってみると前作を超える“飛んで曲がらない”クラブに仕上がっています」(横田真一)
さらに詳しく「SIM2 MAX」の寸評を聞いてみよう。
「『SIM2』シリーズに共通するのは飛距離と直進性の高さ。前作と比べると、やさしく高弾道が打てる『SIM MAX』は、直進性が高い中高弾道で飛ばせる『SIM2 MAX』に。打感が柔らかく操作性が高い『SIM』は、強弾道で飛ばせる『SIM2』に。つかまり重視の『SIM MAX-D』は、力強いドローが打てる『SIM2 MAX-D』になっています。また、前作より全体的にシャフトがしっかりしていて、球の強さと安定感をサポート。見た目はシャープですが、打ってみると前作を超える“飛んで曲がらない”クラブに仕上がっています」(横田真一)
さらに詳しく「SIM2 MAX」の寸評を聞いてみよう。
「見た目は万人が好む程よいつかまり顔です。ヘッドの動きにクセがなく、球筋は中高弾道のストレートボール。『SIM2 MAX』は打点がズレても飛距離も落ちません。初級者から上級者まで、幅広いゴルファーが使える、飛距離とやさしさのバランスが取れたクラブです」(同)
旧作「SIM MAX」の同じ純正S、9.5°とも打ち比べたが、ナイスショット5球の平均飛距離は「SIM2 MAX」が280ヤード、「SIM MAX」が272ヤードと平均的に上回る結果に。弾道は圧倒的に「SIM2 MAX」の方が高く、打点の寛容性が大幅に増し、それでいてスピン量が比較的少ない新作がキャリーを大幅に引き上げる結果となっていた。
旧作「SIM MAX」の同じ純正S、9.5°とも打ち比べたが、ナイスショット5球の平均飛距離は「SIM2 MAX」が280ヤード、「SIM MAX」が272ヤードと平均的に上回る結果に。弾道は圧倒的に「SIM2 MAX」の方が高く、打点の寛容性が大幅に増し、それでいてスピン量が比較的少ない新作がキャリーを大幅に引き上げる結果となっていた。
次は「SIM2 MAX-D」だ。横田は「3本の中では『SIM2 MAX-D』もっともつかまり顔で、ソールのウェイトもヒール寄り。クラブの動きに合わせて打てば、自然と高弾道ドローが打てるスライサー向けのクラブです。また、ボールが前に伸びる力が強く、左に引っかかる心配がないのもいいですね」と話す。
また、前作「SIM MAX-D」と比較して「新作はウェイトがヒール側にあってヘッドが返りやすい。ただ、前作のほうがつかまりがよく、曲がり幅も大きめ。新モデルはつかまりと直進性のバランスがいいですね」と話していた。
最後に、横田が2021年の中でも「一番気になるというか、お気に入りというか、自分のシャフトで改めてもっとテストしてみたいと思うクラブ」と言うのが、セレクトフィットストアでのみ購入ができる「SIM2」だった。
また、前作「SIM MAX-D」と比較して「新作はウェイトがヒール側にあってヘッドが返りやすい。ただ、前作のほうがつかまりがよく、曲がり幅も大きめ。新モデルはつかまりと直進性のバランスがいいですね」と話していた。
最後に、横田が2021年の中でも「一番気になるというか、お気に入りというか、自分のシャフトで改めてもっとテストしてみたいと思うクラブ」と言うのが、セレクトフィットストアでのみ購入ができる「SIM2」だった。
「ストレートフェースで構えやすさも抜群だし、正直、飛距離だけなら『SIM2』がナンバー1です。球筋は中弾道・低スピンのストレート〜ドロー。分厚い当たりで、ヘッドスピードの速い人が叩けば叩くほど飛ばせます。また、何球打っても同じ曲がり幅になるので、見た目以上にミスにも強そうです。ボールがフェースに食いつく前作『SIM』よりも弾き感と初速がアップして、確実に飛距離性能が上がっています」(同)
「SIM2 MAX」「SIM2 MAX-D」の純正シャフト「TENSEI BLUE TM50」とは違い、このモデルのシャフトはしっかりとした「TENSEI SILVER TM50」が入っている。そのため、元々スピン量が多めの横田が叩いてもスピンが増えず、ボールが前へ前へと飛ぶ。「このクラブは本気にさせてくれる」とハードヒットして大台の300ヤードに迫る打球をまったく同じ弾道で繰り返すなど、自身の今年のエースドライバー選びに没頭する横田だった。
取材協力・武蔵丘ゴルフコース
撮影・相田克己
文・苔縄和裕
「SIM2 MAX」「SIM2 MAX-D」の純正シャフト「TENSEI BLUE TM50」とは違い、このモデルのシャフトはしっかりとした「TENSEI SILVER TM50」が入っている。そのため、元々スピン量が多めの横田が叩いてもスピンが増えず、ボールが前へ前へと飛ぶ。「このクラブは本気にさせてくれる」とハードヒットして大台の300ヤードに迫る打球をまったく同じ弾道で繰り返すなど、自身の今年のエースドライバー選びに没頭する横田だった。
取材協力・武蔵丘ゴルフコース
撮影・相田克己
文・苔縄和裕