ラウンドごとに約1ストローク減らせるとしたら? 2022年オデッセイ「ELEVEN」&「TRI-HOT 5K」パター
ブレード形状なのに数値はマレット!?いったいオデッセイはどのようにしてブレードの形状のまま「MOI(寛容性)」を高めることができたのか?
配信日時: 2022年2月18日 03時00分
2022年オデッセイパター探究の旅第二弾
今回のパターの中にはオデッセイのクラシックなヘッド形状を持つものもあるが、いずれのモデルもオデッセイのデザインの新たな方向性を示すものだ。
詳細に移るとしよう。前作オデッセイ「TEN(テン)」と同じく、オデッセイ「ELEVEN」マレットも独自素材と新形状を採用している。先入観を与えないように「TRI-HOT 5K」について説明すると、「TRI-HOT 5K」は2010年発売の「TRI-HOT」の復刻版ではない。
チタンパターをお探しだとしたら、残念ながら「TRI-HOT 5K」の大部分はメタル製だ。
まずはオデッセイ「ELEVEN(イレブン)」について詳しく見ていこう。
長年にわたり四角い箱型のマレットは、慣性モーメント(MOI)を高めるためには重量をエッジ(端)や後方に配分するという戦略がとられてきた。
これは、プラスチックのような軽量素材をパター中央部に、そしてより重い金属構造をエッジに使用することによって実現されてきた。もうひとつ実証済の戦略は余剰重量をトウ・ヒールへ、特にソール後方部にもってくることだ。
だがオデッセイ「ELEVEN」では、これらのウエイトはソール後方部のトウ・ヒールではなく、ソール前方のトウ・ヒールにスチール製のウエイトとして搭載されている。
「MOI」だけがマレット型パターの肝ではない。MOIを最大にすることで、ストローク中のヘッドのねじれを防ぐことはできるが、同時にそれが問題でもある。重心を後方へ押しやると、パターの回転特性にも影響を与えるからだ。
オデッセイの開発チームが高MOIマレットパターのミスの傾向を調査した結果、ほとんどが“右に出る”ミスだということがわかった。基本的に、深重心(GC)はインパクト時にフェースが閉じるのを防いでくれるものだ。
つまりパットを決めるにはカップの左を狙う必要がある。確かに、常に右に外しているなら意図的に左を狙って打てばいいかもしれない。中には、狙い通りに打ったつもりでも実は無意識にそうやっている人もいるだろう。しかしそれでは本末転倒。
右へのミスを撲滅するためにオデッセイが考え出した解決策が、重量と重心位置を前方へ移動させることだった。
パターの分解図(記事の中にある)を見ると、重い部品がすべて前面にあるのがわかるだろう。さらに詳しく見てみると、重量は主にヘッド前方のトゥ・ヒール部分に位置していることがわかる。
「ホワイトホット」インサートは、インサートが周辺のスチールより軽量であることから、同様の効果をもたらしている。フェース中央部は軽く、エッジは重くだ。
2022年オデッセイ「ELEVEN」パターが目指したのは、「MOI(寛容性)」を高めるためのエッジの重量と、ターゲットに対して真っ直ぐに構えるための前方への重心配置との完璧なバランスを導き出すことだった。
次にオデッセイ「TRI-HOT 5K」パターを見てみよう。
この名称にある「5K」はオデッセイの「TRI-HOT 5K」パターのすべてに備わるMOI(慣性モーメント)の数値が5,000を超えていることを表している。
この「5,000」とはかなりとんでもない数値であり、なぜそれが一大事なのか?最近のマレットパターの標準的なMOI値が5,000以上だと言えばわかるだろうか?
これは全て「ブレードパター」の話だって信じられる?