西郷真央、初優勝! ミズノ『ST-X 220』投入後、トップ10を外したのは僅か1/7試合の驚異
2022年の国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」は、西郷真央が待望の初優勝。昨年10月に『ST-X 220』ドライバーへ変更以来、驚異の好結果です…。(撮影・鈴木祥、福田文平)
配信日時: 2022年3月9日 01時00分
目次 / index
『ST-X 220』投入から2⇒5⇒3⇒2⇒12⇒6⇒優勝!
西郷真央がついに2022年の開幕戦で初優勝をはたした。昨季トップ10入り21回、2位がなんと7回。統合された2020-21年シーズンに “シルバーコレクター” といわれた20歳が、昨年優勝を逃した開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で雪辱をはたした。
勝因に挙げたのは、オフのアプローチ強化。優勝会見で『今大会4日間、クラブセッティングで役に立ったクラブは?』という質問に「アプローチのミスもありましたが、以前に比べて全体的にカバーできていた。プロになってから54度を入れて下を厚くしてやってきました。今回、特にそれが生きてくれた」と西郷。
確かに18番の切り立ったガードバンカーから冷静にアプローチ勝負を選んだ選択も、その後のアプローチも見事だったが、ことクラブに関しては、「昨年10月の『ST-X 220』ドライバー変更から、ずっといい流れが来ていた」と見るのは筆者だけだろうか。
勝因に挙げたのは、オフのアプローチ強化。優勝会見で『今大会4日間、クラブセッティングで役に立ったクラブは?』という質問に「アプローチのミスもありましたが、以前に比べて全体的にカバーできていた。プロになってから54度を入れて下を厚くしてやってきました。今回、特にそれが生きてくれた」と西郷。
確かに18番の切り立ったガードバンカーから冷静にアプローチ勝負を選んだ選択も、その後のアプローチも見事だったが、ことクラブに関しては、「昨年10月の『ST-X 220』ドライバー変更から、ずっといい流れが来ていた」と見るのは筆者だけだろうか。
1 / 2
西郷の『ST-X 220』。シャフトは『ベンタスブルー』の5S
何しろ、昨年10月の「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」でお初のドライバーを投入していきなり2位。その後、5位タイ⇒3位⇒2位タイ⇒12位タイ⇒6位タイで昨季を締めると、今回の開幕戦で初優勝。つまり、『ST-X 220』ドライバーを投入して、トップ10を外したのが7試合中、わずか1試合という充実っぷりなのである。
【西郷真央の優勝セッティング】
1W:ミズノ ST-X 220(10.5°VENTUS BLUE 5S 45.5インチ)
3,5W:ピン G425 MAX(VENTUS BLUE 6S)
4,5U:ピン G425 MAX(VENTUS HB 7S)
6I〜PW:ミズノ JPX 921 FORGED(N.S.PRO 850GH S)
50,54,58度:Mizuno Pro S18(N.S.PRO 950GH S)
PT:オデッセイ WHITE HOT OG ROSSIE
BALL:ブリヂストン TOUR B XS
【西郷真央の優勝セッティング】
1W:ミズノ ST-X 220(10.5°VENTUS BLUE 5S 45.5インチ)
3,5W:ピン G425 MAX(VENTUS BLUE 6S)
4,5U:ピン G425 MAX(VENTUS HB 7S)
6I〜PW:ミズノ JPX 921 FORGED(N.S.PRO 850GH S)
50,54,58度:Mizuno Pro S18(N.S.PRO 950GH S)
PT:オデッセイ WHITE HOT OG ROSSIE
BALL:ブリヂストン TOUR B XS
『ST-X 220』を投入してからのスタッツは?
では、本当に新作『ST-X 220』がスコアに貢献したのか? 投入以後7試合と、昨季の平均スタッツを比較してみた。平均飛距離は投入後7試合中3試合のみの計測で、中には明らかにFWのショットと見られるデータも多々ある中、下記の結果だった。
【2020−21の平均/『ST-X 220』の7戦】
●平均飛距離――246.33y/249.59y(+3.26y)
●FWキープ――72.77%/76.70%(+3.93%)
ちなみに、明らかにドライバー以外で放ったショットと見られるデータを除外すると、18回の計測で、平均飛距離は255ヤード。計測のなかった「ダイキンオーキッドレディス」でも長距離を見せていたが、『ST-X 220』を操る西郷の飛距離はツアーでもかなりの上位と言えるだろうか。
昨季、ドライバーの上手さの指標「トータルドライビング」で1位、アイアンも含めたショットの上手さの指標「ボールストライキング」でも1位だった西郷。ストレートに近い球筋で誰よりドライバーが上手いだけに、ヘッド性能が上がるほど、誰より数値向上に直結するはずだ。
【2020−21の平均/『ST-X 220』の7戦】
●平均飛距離――246.33y/249.59y(+3.26y)
●FWキープ――72.77%/76.70%(+3.93%)
ちなみに、明らかにドライバー以外で放ったショットと見られるデータを除外すると、18回の計測で、平均飛距離は255ヤード。計測のなかった「ダイキンオーキッドレディス」でも長距離を見せていたが、『ST-X 220』を操る西郷の飛距離はツアーでもかなりの上位と言えるだろうか。
昨季、ドライバーの上手さの指標「トータルドライビング」で1位、アイアンも含めたショットの上手さの指標「ボールストライキング」でも1位だった西郷。ストレートに近い球筋で誰よりドライバーが上手いだけに、ヘッド性能が上がるほど、誰より数値向上に直結するはずだ。
『ST-X 220』は、何が良くなった?
では、11日に発売される『ST-X 220』ドライバーは何が進化したのか? ミズノは近年高反発時代からの禁断の反発のいい素材【βチタン】をフェース使用しており、今作もそれは同じはずだが、ミズノの言い分が西郷の結果と見事に符合していた。
「高初速×低スピンのSTシリーズの、さらに安定性が向上しました。カーボンの総面積を前作から約40%拡大。その余剰重量をバックウエイトに付与することでスイートエリアの拡大を達成。高初速×低スピンに加えて、高い安定性を追求しました」(同社広報)
端的に言えば、【カーボンでボディ部を軽量化し、重いウェイトをヘッド後方に配置すれば、ヘッド左右MOIは向上する】という図式である。ただ、高MOIヘッドが苦手な人も世の中には多い。特に、プロゴルファーの場合、ヘッドを意のままに操作でき、重いヘッドやバランス重めより、バランス軽めを好む選手が昔から多いもの。
「高初速×低スピンのSTシリーズの、さらに安定性が向上しました。カーボンの総面積を前作から約40%拡大。その余剰重量をバックウエイトに付与することでスイートエリアの拡大を達成。高初速×低スピンに加えて、高い安定性を追求しました」(同社広報)
端的に言えば、【カーボンでボディ部を軽量化し、重いウェイトをヘッド後方に配置すれば、ヘッド左右MOIは向上する】という図式である。ただ、高MOIヘッドが苦手な人も世の中には多い。特に、プロゴルファーの場合、ヘッドを意のままに操作でき、重いヘッドやバランス重めより、バランス軽めを好む選手が昔から多いもの。
「スクエアストライク」デザインで二律背反を解消!
ヘッドのスイートエリアを広げても、「重ヘッドバランス」や「操作しづらくモッサリする」感じにしないのが、世界で絶大なるアイアンへの評価を持つ、ミズノならではの設計だ。「操れなければ、意味がない」考えはずっと踏襲されており、今作でMOIを引き上げても【スクエアストライクデザイン】は踏襲。
「ST-X 220、ST-Z 220では慣性モーメントを大きく(スイートエリアを大きく)して打点のブレによる飛距離ロスを軽減しながらも、重心距離をやや短めに設定しています。二律背反する【スイートエリアの拡大】と【ヘッドの返しやすさ】を両立させることで、ヘッドとボールが正面衝突しやすくなり、つかまりの良さを追求しました」(同)
実際に、西郷だけでなく契約プロのほぼ全員が重心距離が短めでつかまる『ST-X 220』の方を選んでおり、振りやすさ・扱いやすさと共に、高まったMOIの恩恵を余すことなく受けられる状態を作っていた。高初速が出せる【βチタン】を生かすも殺すも、スクエアインパクトしだい。高MOIクラブでフェースが開きがちの人は、このクラブで“西郷化”する!?
Text/Mikiro Nagaoka
「ST-X 220、ST-Z 220では慣性モーメントを大きく(スイートエリアを大きく)して打点のブレによる飛距離ロスを軽減しながらも、重心距離をやや短めに設定しています。二律背反する【スイートエリアの拡大】と【ヘッドの返しやすさ】を両立させることで、ヘッドとボールが正面衝突しやすくなり、つかまりの良さを追求しました」(同)
実際に、西郷だけでなく契約プロのほぼ全員が重心距離が短めでつかまる『ST-X 220』の方を選んでおり、振りやすさ・扱いやすさと共に、高まったMOIの恩恵を余すことなく受けられる状態を作っていた。高初速が出せる【βチタン】を生かすも殺すも、スクエアインパクトしだい。高MOIクラブでフェースが開きがちの人は、このクラブで“西郷化”する!?
Text/Mikiro Nagaoka