悲願のマスターズ制覇へ。マキロイが替えた、新しい『TP5x』ボールは何が凄い?
昨年マスターズを制したD・ジョンソンをはじめ、多くのプロが信頼を寄せる『TP5』シリーズがリニューアル。そこで、新旧『TP5』シリーズを打ち比べると、新モデルは驚きの進化を遂げていた。
配信日時: 2021年4月7日 15時00分
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プロが求める飛距離とコントロール性能を両立
ツアープロが求める飛びとスピンを兼ね備えた『TP5』シリーズ。ローリー・マキロイやリッキー・ファウラーが選んだ新しい『TP5x』は、「前作よりもソフトな打感で飛距離が伸びている」と海老原秀聡プロはいう。
「前作の『TP5x』は硬い打感と球離れの速さで、ツアー系の中でも飛びに特化したボールでした。しかし、新しい『TP5x』は前作よりも打感が柔らかいのに飛距離性能がアップ。ボールがフェースに乗る時間が伸びた分、球筋や弾道の高さを打ち分けることもできます。また、アプローチの打感もソフトになって、スピン性能がアップ。PGAツアーのタフなコースを攻略できる、飛距離とコントロール性能に優れたボールに進化しています」(海老原プロ)
マキロイもファウラーも、前作ではソフトでよりスピンがかかる『TP5』の方を選んでいたが、飛ばせる『TP5x』がソフトかつスピン性能も上がったとなれば、当然新しい『TP5x』を選ぶのも納得。だが、どうしてこんなに急激な進化が可能なのか?
「前作の『TP5x』は硬い打感と球離れの速さで、ツアー系の中でも飛びに特化したボールでした。しかし、新しい『TP5x』は前作よりも打感が柔らかいのに飛距離性能がアップ。ボールがフェースに乗る時間が伸びた分、球筋や弾道の高さを打ち分けることもできます。また、アプローチの打感もソフトになって、スピン性能がアップ。PGAツアーのタフなコースを攻略できる、飛距離とコントロール性能に優れたボールに進化しています」(海老原プロ)
マキロイもファウラーも、前作ではソフトでよりスピンがかかる『TP5』の方を選んでいたが、飛ばせる『TP5x』がソフトかつスピン性能も上がったとなれば、当然新しい『TP5x』を選ぶのも納得。だが、どうしてこんなに急激な進化が可能なのか?
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新しいディンプルで、打ち出し時は空気抵抗を下げ、ランディング時には揚力をキープ。キャリーが3yほど伸びる計算に
元々前作『TP5』シリーズも初速性能が高められていたが、今作ではディンプルの形状をこれまでよりも浅く、壁の角度を急にした、新設計の「ツアーフライトディンプルパターン」を採用。上昇時には空気抵抗を低減し、落下時には揚力を増加させることでキャリーを伸ばせたとか。
ところで、ボール開発は「何かを求めれば何かを失う」トレードオフ関係がつきものだが、今作で新しくするに辺り、何も失ったものがないように見える。「必要なものだけを手に入れる」、都合のいいボール開発などあるのだろうか? これを実現できる理由がテーラーメイド独自のボール構造に隠されている。
ところで、ボール開発は「何かを求めれば何かを失う」トレードオフ関係がつきものだが、今作で新しくするに辺り、何も失ったものがないように見える。「必要なものだけを手に入れる」、都合のいいボール開発などあるのだろうか? これを実現できる理由がテーラーメイド独自のボール構造に隠されている。
独自の5層構造が初速と最適スピンを生む
『TP5』シリーズは、すべてのクラブで性能を発揮させる、独自の5層構造となっている。それぞれの層に最適な素材を組み合わせることで、ロングショットでは高初速・低スピンの弾道で飛距離アップを実現。アプローチショットでは高いバックスピン性能で、グリーン周りでの精密なコントロール性能を発揮でき、今作は下記のような改良が施された。
【1〜3層】 サイズが大きくなり反発力が高まったコアを含む3層構造の「トライファストコア」が効率的なエネルギー伝達を行うことで無駄なバックスピンを排除。ロングショットでの飛距離アップを実現する。
【4層】 インナーカバーには、新素材「HFM=HIGHFLEX MODULUS」を採用。2017年モデルより30%高弾性な素材で、ボール初速を向上させる。
【5層】 アウターカバーには、ソフトながら耐久性が高いキャストウレタンを採用。グリーン周りでの自在なスピンコントロールを実現する。
【1〜3層】 サイズが大きくなり反発力が高まったコアを含む3層構造の「トライファストコア」が効率的なエネルギー伝達を行うことで無駄なバックスピンを排除。ロングショットでの飛距離アップを実現する。
【4層】 インナーカバーには、新素材「HFM=HIGHFLEX MODULUS」を採用。2017年モデルより30%高弾性な素材で、ボール初速を向上させる。
【5層】 アウターカバーには、ソフトながら耐久性が高いキャストウレタンを採用。グリーン周りでの自在なスピンコントロールを実現する。
女子プロの一番人気。『SIM2 MAX』に『TP5』が合うって本当?
では、トッププロのドライバーと使用ボールの傾向を見てみよう。既報のように、女子プロに一番人気の組み合わせが『SIM2 MAX』と『TP5』で、PGAツアープロは『SIM2』と『TP5x』の組み合わせが圧倒的に多かった。そこで、それぞれのドライバーとボールの相性を海老原プロが検証すると、納得の理由が見つかった。
⇒正しいボール選択で「ティショット革命」を! 女子プロの『SIM2』を活かす最強ボール『TP5』
プロが選んだドライバーとボールは、「打ちたい球が明確にわかる組み合わせ」だという海老原プロ。
⇒正しいボール選択で「ティショット革命」を! 女子プロの『SIM2』を活かす最強ボール『TP5』
プロが選んだドライバーとボールは、「打ちたい球が明確にわかる組み合わせ」だという海老原プロ。
「ヘッドスピード40m/s前後の人に最適なのは、『SIM2 MAX』と『TP5』の組み合わせですね。直進性が高いクラブとボールで、シンプルに真っすぐ飛ばせる組み合わせ。ソフトな打感で、球筋はサイドスピンが少ない中弾道のストレートボール。
どんな状況でも真っすぐターゲットを狙う人にピッタリで、方向性が安定しない初中級者や、球を曲げず真っすぐターゲットを狙う上級者にも合います。テーラーメイド契約の女子プロ人気ナンバーワンなのも、すごく頷ける結果でした」(海老原プロ)
どんな状況でも真っすぐターゲットを狙う人にピッタリで、方向性が安定しない初中級者や、球を曲げず真っすぐターゲットを狙う上級者にも合います。テーラーメイド契約の女子プロ人気ナンバーワンなのも、すごく頷ける結果でした」(海老原プロ)
PGAツアーで人気。『SIM2』に『TP5x』はぶっ飛び!
かたや、『SIM2』と『TP5x』の組み合わせはどうか。
「こちらはPGAツアーの人気も分かるというか、ハードなクラブとボールで、パワーヒッターが左を気にせず飛ばせる組み合わせですね。ある程度、対象ゴルファーは限られますが、飛距離のポテンシャルはナンバーワンです。また、ドライバーは『SIM2』を使いたいけど、ラクに飛ばしたいという人は、ソフトな『TP5』と合わせてもOK。
『SIM2 MAX』で、できるだけ飛距離を出したいという人は、強弾道の『TP5x』を選んでも大丈夫なので、自分のヘッドスピードやプレースタイルに合わせて、最適な組み合わせを見つけて欲しいですね。テーラーメイドのドライバーを買った人は、ボールとセット使った方が飛距離を伸ばせるのは間違いなさそうです」(海老原プロ)
「こちらはPGAツアーの人気も分かるというか、ハードなクラブとボールで、パワーヒッターが左を気にせず飛ばせる組み合わせですね。ある程度、対象ゴルファーは限られますが、飛距離のポテンシャルはナンバーワンです。また、ドライバーは『SIM2』を使いたいけど、ラクに飛ばしたいという人は、ソフトな『TP5』と合わせてもOK。
『SIM2 MAX』で、できるだけ飛距離を出したいという人は、強弾道の『TP5x』を選んでも大丈夫なので、自分のヘッドスピードやプレースタイルに合わせて、最適な組み合わせを見つけて欲しいですね。テーラーメイドのドライバーを買った人は、ボールとセット使った方が飛距離を伸ばせるのは間違いなさそうです」(海老原プロ)
コスパ重視ならこちら!低価格帯ボールも“使える”
とはいえ、性能よりも価格を優先してボールを選ぶゴルファーは多い。一般的には【低価格=低機能】だと思われがちだが、最新の低価格帯ボールはドライバーでもアプローチでも高価格帯に負けないモデルが増えていた。
最新ツアーボールの価格は、1ダース6000 円以上が主流。一方、1ダース3000 円を切るボールも増えているが、これら“低価格帯ボール”の性能は年々高まっている。なぜなら、最近の低価格帯ボールは、そのメーカーの1、2世代前の技術を使って開発費を抑え、既存の素材を生かすことでコストを抑えているから。低価格でも最新ボールに近い性能を持っているというわけだ。
また、テーラーメイド『ツアーレスポンス』のように、ウレタンカバーで、アプローチのスピン性能が高いモデルも登場。最新のツアーボールには届かないが、アマチュアには十分なスピンがかかるので、価格差を考えればコスパの良さが際立っている。
さらに、『ソフトレスポンス』などディスタンス系ボールも、飛距離性能の高さはもちろん、アプローチ面での性能も向上。最高性能のツアーボールもいいが、お値段以上の性能を持つ、低価格帯ボールにも注目だ。
文・苔縄和裕
撮影・相田克己
最新ツアーボールの価格は、1ダース6000 円以上が主流。一方、1ダース3000 円を切るボールも増えているが、これら“低価格帯ボール”の性能は年々高まっている。なぜなら、最近の低価格帯ボールは、そのメーカーの1、2世代前の技術を使って開発費を抑え、既存の素材を生かすことでコストを抑えているから。低価格でも最新ボールに近い性能を持っているというわけだ。
また、テーラーメイド『ツアーレスポンス』のように、ウレタンカバーで、アプローチのスピン性能が高いモデルも登場。最新のツアーボールには届かないが、アマチュアには十分なスピンがかかるので、価格差を考えればコスパの良さが際立っている。
さらに、『ソフトレスポンス』などディスタンス系ボールも、飛距離性能の高さはもちろん、アプローチ面での性能も向上。最高性能のツアーボールもいいが、お値段以上の性能を持つ、低価格帯ボールにも注目だ。
文・苔縄和裕
撮影・相田克己