近年増加中? ドライバーイップスの悪夢がゴルファーを襲う日
text by Kazuhiro Koyama
配信日時: 2019年6月8日 04時00分
振りやすさを重視して、ドライバーを使いこなそう
イップスではないものの、大型ヘッドの対応に苦慮しているのが石川遼だ。アマチュアでツアー優勝を果たしたときや、史上最年少18歳で賞金王になったとき、石川のドライバーは400cc前後だった。PGAツアーに参戦して以降、ここ数年はドライバーショットが彼の最大のウィークポイントになっている。
昨年末には、ネックの周りに大量の鉛を巻きつけたことがあった。見るからに不格好なドライバーを見て、この天才がここまでしなくてはいけないとは、と衝撃を受けた。ネック周りが重くなると重心距離は短くなり、操作性は向上するかもしれないが、それは机上の論理であって、実際にクラブの設計意図とかけ離れた大量の鉛が、功を奏したようには見えなかった。
同じ時期、2017年の賞金王、宮里優作がなんとヘッド体積260ccというブリヂストン『TOUR B P43-1』というプロトタイプヘッドを使用していた。大型ドライバーを使っても、大きなフェードで飛距離も正確性もある宮里だが、試合ではティショットでスプーンを多用するプレーヤーでもある。慣性モーメントの大きさを考えると、他のクラブと同じように打てるのはおそらくスプーンまでで、この260ccヘッドも他のクラブとの流れを重視したものと思われる。
石川遼のように、なんとか大型ヘッドを打ちこなそうという工夫はアマチュアの間にも見られる。最近流行している、“軽硬シャフト”はその一つだろう。軽くすることでスイング中の慣性モーメントを小さくし、硬くすることで挙動を安定させる。
385ccの『ロッディオ コンパクトドライバー』に代表されるように、振りやすさを重視した小ぶりなヘッドや、フジクラ『SPEEDER SLK』のように短尺専用のシャフトが登場するのも、なんとかドライバーを振りやすくしたいという意図の表れだろう。これらを試してみるのも面白い。
ドライバーはどうしても飛距離、そして曲がりにくさに関心が集まりがちだ。それ自体は良いことだが、一方で現代のドライバーは振りにくいという指摘が、もっとあってもよいのではないかと思うが、どうだろうか。
その認識があれば、ヘッドやシャフトのスペックを工夫して、飛距離だけでなく、ドライバー選びに振りやすさを重視することも必要になってくるだろう。それはイップス予防にもなるし、より振り切ることができれば、単にクラブ自体の性能によるものだけでなく、自分のポテンシャルを引き上げて、飛距離を上げることができるだろう。
昨年末には、ネックの周りに大量の鉛を巻きつけたことがあった。見るからに不格好なドライバーを見て、この天才がここまでしなくてはいけないとは、と衝撃を受けた。ネック周りが重くなると重心距離は短くなり、操作性は向上するかもしれないが、それは机上の論理であって、実際にクラブの設計意図とかけ離れた大量の鉛が、功を奏したようには見えなかった。
同じ時期、2017年の賞金王、宮里優作がなんとヘッド体積260ccというブリヂストン『TOUR B P43-1』というプロトタイプヘッドを使用していた。大型ドライバーを使っても、大きなフェードで飛距離も正確性もある宮里だが、試合ではティショットでスプーンを多用するプレーヤーでもある。慣性モーメントの大きさを考えると、他のクラブと同じように打てるのはおそらくスプーンまでで、この260ccヘッドも他のクラブとの流れを重視したものと思われる。
石川遼のように、なんとか大型ヘッドを打ちこなそうという工夫はアマチュアの間にも見られる。最近流行している、“軽硬シャフト”はその一つだろう。軽くすることでスイング中の慣性モーメントを小さくし、硬くすることで挙動を安定させる。
385ccの『ロッディオ コンパクトドライバー』に代表されるように、振りやすさを重視した小ぶりなヘッドや、フジクラ『SPEEDER SLK』のように短尺専用のシャフトが登場するのも、なんとかドライバーを振りやすくしたいという意図の表れだろう。これらを試してみるのも面白い。
ドライバーはどうしても飛距離、そして曲がりにくさに関心が集まりがちだ。それ自体は良いことだが、一方で現代のドライバーは振りにくいという指摘が、もっとあってもよいのではないかと思うが、どうだろうか。
その認識があれば、ヘッドやシャフトのスペックを工夫して、飛距離だけでなく、ドライバー選びに振りやすさを重視することも必要になってくるだろう。それはイップス予防にもなるし、より振り切ることができれば、単にクラブ自体の性能によるものだけでなく、自分のポテンシャルを引き上げて、飛距離を上げることができるだろう。