【インタビュー】「ダンロップ・スリクソン福島オープン」主催者が想いを語る
【インタビュー】「ダンロップ・スリクソン福島オープン」主催者が想いを語る
所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita
配信日時: 2014年8月26日 11時18分
8月3日(日)に幕を閉じた国内新規男子ツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」。19年間続いてきた「福島オープンゴルフ」にダンロップスポーツと福島中央テレビ、JGTOが主催として加わり、今季から国内男子ツアーとなった今大会。主催者であるダンロップスポーツの広報部長・安達利也さんに今大会の感想、国内男子ツアーについてに対する想いを伺った。
【新規ツアーを開催しての率直な感想を教えてください】
「正直な話、思っていたよりも大変でした。弊社の場合、主催者として「ダンロップフェニックストーナメント」や、宮城テレビさんと一緒にやっている「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」と、ある程度ノウハウは持っていたと思っていましたが甘く見ていました。1から「考え方」や「コンセプト」などを考えてツアーを作るというのは会社としても何十年ぶりで、思ってたよりもいろいろ考えてやらないといけないことが多かったなというのが正直な感想です。始まるまでとても大変でした。
ただ、こうして1からツアーを作ることで「地区オープンをレギュラーツアーにすること」や、「地域、福島県に根ざしたトーナメントを作ること」に関してノウハウを蓄積できたのは良かったと思います」
【開催にあたり不安だったことは】
「今大会は総事業費をスリム化しようというコンセプトで進めたので、そういう風に進めてきて、本戦が無事に終わるのかというのが不安でした。運営上のコストも削ってきましたので。たとえば駐車場などの受け入れ態勢とか人が足りるのかという部分が不安でした。もう1つはギャラリーが入るのかということでした。PRの予算を削っていたので、福島県以外の地域への告知があまり出来ていませんでした。そんな中想定していたのは13,000人で実際入ったのは約11,000人。目標の8割くらいですかね。合格点は挙げられると思います」
【なぜ福島という土地だったのかをお聞かせください】
「福島ありき、復興というのははじめはありませんでした。あくまでスタートはゴルフの活性化が目的でした。そして地域に根ざした試合作り。あとは男子トーナメントをやっていないところでやろうと思っていました。福島というところはたまたま住友ゴムのタイヤ白河工場があったりということもあり、地域の行政にタイヤが根を張っていて入りやすかったという点がありました。もう一県候補がありましたが、福島中央テレビさんも関心を持っていただいたので、選ぶとかそういう偉そうなものではありませんが大会をやるにあたって、周囲のサポートが必要だと感じて福島にしました。
福島でやろうと決まってからは復興支援みたいなものは、絶対出てくることだと思っていました。ではどうやってそういうものをやっていこうかという点に関しては、福島中央テレビさんにさじ加減というか、どういう形で表現したらいいかというのを聞きながらやりました。福島の方々には「普通にイベント、試合をやっていただくことがありがたい」と言われました。特別なことではなく普通に福島でこういったイベントができるということを示してくれるということはありがたいと言われました。ですので今回特別なチャリティということはやっていないですし、普通にツアーをやろうと」
【今回このような形でツアーを開催しての周りの反応はいかがでしたか】
「地区オープンをレギュラーツアーにということを実現している形という点、もう1つはなるべくお金をかけないという形という2点は広告代理店の方とか競合他社の方、メディアの方々もそこに興味を持ってもらえてると思います」
【選手からは何か言われましたか】
「選手会長の池田勇太プロからは「とにかく試合を増やしてくれるということに関してはものすごくありがたいです。賞金の額ではないです」、と言われました。他の選手からも「試合があることがありがたい」といわれることが多かったですね。中嶋常幸プロからは「これ絶対続けような」って。福島でやるということと、ゴルフの活性化、地域の試合でやるということは絶対必要だと言われてました。
大会アンバサダーの古閑美保プロもやり方を理解して「何でもやります」と言ってくださいました。弊社が契約しているゴルファーにお願いすることって商品の宣伝だったり普通のイベントがどうしても多いんです。だけど今回みたいな「意味のある」って自分で言ったら変ですけど、こういった復興支援やゴルフの活性化のようなイベントをお願いしてやってもらう機会って意外に少ないんですよ。ただ私たちとしてはこういうことをお願いしたいし、プロのほうもそういうのを頼まれると「意気に」感じてくれる人が多かったです。そういうのを今までは提供できるものがなかったのですが、今回はそれが出来る体制なので、出来る限り色々やりたいと思っていました。大会期間中以外のイベントにも契約プロがきてくれましたが、みなさん「二つ返事」できてくださいました。」
【何故シニアツアーや女子ツアーではなく男子ツアーだったのですか】
「スポーツの競技だとトップカテゴリーのところで、強い選手がいたり、そこが衰退していくとプレー人口や興味がなくなっていくと思っています。これはゴルフメーカーといううちのビジネス的なところもありますが、国内男子ツアーが活況になっていないと、スポーツとして衰退していく方向にいくと思うので試合数を増やしてやっていかないといけないなと思いました」
【国内男子ツアーの現状についてどう思われますか】
「試合数がここ数年は減ってはいませんが、以前の40試合よりは減ってきています。これには正直、危機感があります。プロ自身の意識も変わってきていまして、競技面、ギャラリーに対するホスピタリティ面もそうですけど、こう改善しよう、よくしようと選手の人たちが変わろうとしてきていると思います。ただ、器がないとその思いを表現する場がないんですよね。そう考えたときに、スピードとしては試合数、中身がなくなるスピードの方が早いなと感じています。それが、これぐらいの事業規模の試合が2〜3、理想を言えば5つくらい増えて総試合数が30試合くらいになっていくといい形になっていくのではと思います」
【新規ツアーを開催して一番良かったと思う点はなんでしょうか】
「お金を余りかけずに、これはみなさんの見方になってしまうと思いますが、普通のトーナメントが出来たと感じています。モデルケースを作ると言っていて、それを示せたのかなと思います。そこが会社としては良かったです。今大会の出来は60〜70点と思っていますが、どうすれば100点になるかが見えてきたのが良かった点ですね」
【この大会をさらに成熟したものにするための目標、課題はなんでしょうか】
「僕らは「ゴルフを始める人をどれだけ増やすか」が目標なので、具体的な数値では測りきれないけど、たとえば今回JGTOさんと一緒にスナッグゴルフを小学校で広めてきて、スナッグゴルフはゴルフとは違いますが、ゴルフ始めるきっかけになればと思っています。そういったところで何か目標となるものがないかなとずっと思っていたのですが、例えば高校生の大会で毎年福島県にある高校が優勝するとか。そういう具体化した話みたいなのを作っていきたいなと。それがゴルフの振興に関しての部分です。
地域根ざしたツアーということ関してはお金集めということじゃなく、福島県内の企業さんにもっともっと参加していただけるような形にしたいと思っています。今年でも金額の大小は別として100社以上のご協力をいただいたので、それをもっと増やして200社とか300社とかにしていきたいです。そうするとこの大会が福島県の試合となってきて、今年で言うと弊社がある程度お金を出している形になりました。大体トーナメントが終わる場合は、主催の企業さんが降りるというところでなくなりますから、経済環境に影響されない仕組みづくりというのが理想だと思っています。うちが撤退するということではありませんが、極端な話福島県内で完結できるようにするというところが1つの目指すところだと思っています」
【新規ツアーを開催しての率直な感想を教えてください】
「正直な話、思っていたよりも大変でした。弊社の場合、主催者として「ダンロップフェニックストーナメント」や、宮城テレビさんと一緒にやっている「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」と、ある程度ノウハウは持っていたと思っていましたが甘く見ていました。1から「考え方」や「コンセプト」などを考えてツアーを作るというのは会社としても何十年ぶりで、思ってたよりもいろいろ考えてやらないといけないことが多かったなというのが正直な感想です。始まるまでとても大変でした。
ただ、こうして1からツアーを作ることで「地区オープンをレギュラーツアーにすること」や、「地域、福島県に根ざしたトーナメントを作ること」に関してノウハウを蓄積できたのは良かったと思います」
【開催にあたり不安だったことは】
「今大会は総事業費をスリム化しようというコンセプトで進めたので、そういう風に進めてきて、本戦が無事に終わるのかというのが不安でした。運営上のコストも削ってきましたので。たとえば駐車場などの受け入れ態勢とか人が足りるのかという部分が不安でした。もう1つはギャラリーが入るのかということでした。PRの予算を削っていたので、福島県以外の地域への告知があまり出来ていませんでした。そんな中想定していたのは13,000人で実際入ったのは約11,000人。目標の8割くらいですかね。合格点は挙げられると思います」
【なぜ福島という土地だったのかをお聞かせください】
「福島ありき、復興というのははじめはありませんでした。あくまでスタートはゴルフの活性化が目的でした。そして地域に根ざした試合作り。あとは男子トーナメントをやっていないところでやろうと思っていました。福島というところはたまたま住友ゴムのタイヤ白河工場があったりということもあり、地域の行政にタイヤが根を張っていて入りやすかったという点がありました。もう一県候補がありましたが、福島中央テレビさんも関心を持っていただいたので、選ぶとかそういう偉そうなものではありませんが大会をやるにあたって、周囲のサポートが必要だと感じて福島にしました。
福島でやろうと決まってからは復興支援みたいなものは、絶対出てくることだと思っていました。ではどうやってそういうものをやっていこうかという点に関しては、福島中央テレビさんにさじ加減というか、どういう形で表現したらいいかというのを聞きながらやりました。福島の方々には「普通にイベント、試合をやっていただくことがありがたい」と言われました。特別なことではなく普通に福島でこういったイベントができるということを示してくれるということはありがたいと言われました。ですので今回特別なチャリティということはやっていないですし、普通にツアーをやろうと」
【今回このような形でツアーを開催しての周りの反応はいかがでしたか】
「地区オープンをレギュラーツアーにということを実現している形という点、もう1つはなるべくお金をかけないという形という2点は広告代理店の方とか競合他社の方、メディアの方々もそこに興味を持ってもらえてると思います」
【選手からは何か言われましたか】
「選手会長の池田勇太プロからは「とにかく試合を増やしてくれるということに関してはものすごくありがたいです。賞金の額ではないです」、と言われました。他の選手からも「試合があることがありがたい」といわれることが多かったですね。中嶋常幸プロからは「これ絶対続けような」って。福島でやるということと、ゴルフの活性化、地域の試合でやるということは絶対必要だと言われてました。
大会アンバサダーの古閑美保プロもやり方を理解して「何でもやります」と言ってくださいました。弊社が契約しているゴルファーにお願いすることって商品の宣伝だったり普通のイベントがどうしても多いんです。だけど今回みたいな「意味のある」って自分で言ったら変ですけど、こういった復興支援やゴルフの活性化のようなイベントをお願いしてやってもらう機会って意外に少ないんですよ。ただ私たちとしてはこういうことをお願いしたいし、プロのほうもそういうのを頼まれると「意気に」感じてくれる人が多かったです。そういうのを今までは提供できるものがなかったのですが、今回はそれが出来る体制なので、出来る限り色々やりたいと思っていました。大会期間中以外のイベントにも契約プロがきてくれましたが、みなさん「二つ返事」できてくださいました。」
【何故シニアツアーや女子ツアーではなく男子ツアーだったのですか】
「スポーツの競技だとトップカテゴリーのところで、強い選手がいたり、そこが衰退していくとプレー人口や興味がなくなっていくと思っています。これはゴルフメーカーといううちのビジネス的なところもありますが、国内男子ツアーが活況になっていないと、スポーツとして衰退していく方向にいくと思うので試合数を増やしてやっていかないといけないなと思いました」
【国内男子ツアーの現状についてどう思われますか】
「試合数がここ数年は減ってはいませんが、以前の40試合よりは減ってきています。これには正直、危機感があります。プロ自身の意識も変わってきていまして、競技面、ギャラリーに対するホスピタリティ面もそうですけど、こう改善しよう、よくしようと選手の人たちが変わろうとしてきていると思います。ただ、器がないとその思いを表現する場がないんですよね。そう考えたときに、スピードとしては試合数、中身がなくなるスピードの方が早いなと感じています。それが、これぐらいの事業規模の試合が2〜3、理想を言えば5つくらい増えて総試合数が30試合くらいになっていくといい形になっていくのではと思います」
【新規ツアーを開催して一番良かったと思う点はなんでしょうか】
「お金を余りかけずに、これはみなさんの見方になってしまうと思いますが、普通のトーナメントが出来たと感じています。モデルケースを作ると言っていて、それを示せたのかなと思います。そこが会社としては良かったです。今大会の出来は60〜70点と思っていますが、どうすれば100点になるかが見えてきたのが良かった点ですね」
【この大会をさらに成熟したものにするための目標、課題はなんでしょうか】
「僕らは「ゴルフを始める人をどれだけ増やすか」が目標なので、具体的な数値では測りきれないけど、たとえば今回JGTOさんと一緒にスナッグゴルフを小学校で広めてきて、スナッグゴルフはゴルフとは違いますが、ゴルフ始めるきっかけになればと思っています。そういったところで何か目標となるものがないかなとずっと思っていたのですが、例えば高校生の大会で毎年福島県にある高校が優勝するとか。そういう具体化した話みたいなのを作っていきたいなと。それがゴルフの振興に関しての部分です。
地域根ざしたツアーということ関してはお金集めということじゃなく、福島県内の企業さんにもっともっと参加していただけるような形にしたいと思っています。今年でも金額の大小は別として100社以上のご協力をいただいたので、それをもっと増やして200社とか300社とかにしていきたいです。そうするとこの大会が福島県の試合となってきて、今年で言うと弊社がある程度お金を出している形になりました。大体トーナメントが終わる場合は、主催の企業さんが降りるというところでなくなりますから、経済環境に影響されない仕組みづくりというのが理想だと思っています。うちが撤退するということではありませんが、極端な話福島県内で完結できるようにするというところが1つの目指すところだと思っています」