ナゼ突起物があることで空気抵抗が減るのか!?その理由を『XR 16 シリーズ』の開発者が解説
ナゼ突起物があることで空気抵抗が減るのか!?その理由を『XR 16 シリーズ』の開発者が解説
所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita
配信日時: 2016年2月9日 03時56分
キャロウェイゴルフより2月中旬に発売される『XR 16 シリーズ』。“ボール初速の限界に挑む”を大命題に世界最大の航空宇宙機器開発製造会社ボーイング社とタッグを組んで開発、スイング時の空気抵抗を大幅に軽減してヘッドスピードを高めてくれるクラブだ。
これまでにリリースされたキャロウェイのクラブたち
最大の特徴はクラウンに作られた突起物“スピードステップ”。つまり突起物を作ることによって空気抵抗を減らしているということ。“余計なものをつけると凹凸ができて、逆に空気抵抗が増えてしまうのでは…?”、そんな素朴な疑問にボーイング社でシニア・テクニカル・フェローを務め、『XR 16 シリーズ』の開発に携わったジェフリー・クラウチ氏が飛行機の形状と比較しながら答えてくれた。
―まずはスイング時におけるクラブの空気抵抗について教えてください
「スイング時におけるクラブの空気の流れについて、飛行機と比較して説明しましょう。まず飛行機が飛んでいる時の周りの空気は機体の翼に沿って引っ付いていくように流れています。この流れを如何に生み出せるかが飛行機を設計する上で非常に重要です。それは少ないエネルギーで遠くまで飛ばすためです。対してクラブの場合、スイングの動きからヘッドのフェース面にまず空気が当たります。ここから当たった空気はクラブの形状上、飛行機のようにクラブに沿うことはなく、クラブから離れようとしていくんですね。そして離れた分だけ、気圧の変化が発生し空気の抵抗を生みます。これがいわゆるクラブの空気抵抗です」。
―その空気抵抗を無くす為に何故『XR 16 シリーズ』では突起物をつけたのですか?
「空気の動きには“層流”と“乱流”と大きく2つあります。簡単に言うと“層流”はものの形状に沿って流れる空気、飛行中の飛行機の周りに流れている空気はこれに当たります。“乱流”はその名の通り層流とは逆にものの回りにある乱れた流れのことです。飛行機はできる限り“層流”にしようとしています。最新の航空機では主翼端に小さな翼・ウイングレットをつけたりして、周りの空気がスムーズに流れるように設計しているのです。対してクラブの場合、一番の問題は空気の剥離。それを防ぐため、周りにわざと“乱流”を作り出すのです。そうすることで空気が離れることを抑えて気圧の変化を限りなく少なくするのです。つまり、突起物(スピードステップ)によって乱れた流れをあえて生み出すことが空気抵抗を減らしているのです。これが『X 16 ドライバー』最大のポイントとなっている部分です」。
―何故そのスピードステップはクラウンのこの位置にあるのですか?
「意図的に乱流を起こすためには剥離が起きる前に“乱流”を作りださなければなりませんから、フェースに当たった空気が流れてくるこの位置でなくてはならないのです。また、今回もう1つ苦労したのはスピードステップのかたちです。形状だったり、大きさだったり。これをあまりにも大きくしたり高さをもたらせてしまうと逆効果。空気抵抗をさらに生んでしまうのです」。
なお、ソール部分に空気の流れを調節するものが無いのは、フェース面、クラウン以外の部分に関しては空気抵抗にそこまでの影響がないため。また、空気力学面だけで考えてもクラブの形状はこの形がベストらしい。理由はゴルフのスイングは一定ではないため、飛行機のような形状にするとクラブの入り方によって空気の流れも大きく変わってしまうから。「スイングに合わせて形が変わってくれるクラブができればベストなんだけどね。それは無理だから」とクラウチ氏は笑う。
そんな『XR 16 シリーズ』は2月中旬発売予定。またやや小ぶりで操作性の高い『XR 16 PROシリーズ』も同時に発売される。詳細はキャロウェイゴルフの公式HP(http://www.callawaygolf.jp/)を参照。
契約プロたちのインプレッションはこちら→http://www.alba.co.jp/gear/news/article/no=41414
これまでにリリースされたキャロウェイのクラブたち
最大の特徴はクラウンに作られた突起物“スピードステップ”。つまり突起物を作ることによって空気抵抗を減らしているということ。“余計なものをつけると凹凸ができて、逆に空気抵抗が増えてしまうのでは…?”、そんな素朴な疑問にボーイング社でシニア・テクニカル・フェローを務め、『XR 16 シリーズ』の開発に携わったジェフリー・クラウチ氏が飛行機の形状と比較しながら答えてくれた。
―まずはスイング時におけるクラブの空気抵抗について教えてください
「スイング時におけるクラブの空気の流れについて、飛行機と比較して説明しましょう。まず飛行機が飛んでいる時の周りの空気は機体の翼に沿って引っ付いていくように流れています。この流れを如何に生み出せるかが飛行機を設計する上で非常に重要です。それは少ないエネルギーで遠くまで飛ばすためです。対してクラブの場合、スイングの動きからヘッドのフェース面にまず空気が当たります。ここから当たった空気はクラブの形状上、飛行機のようにクラブに沿うことはなく、クラブから離れようとしていくんですね。そして離れた分だけ、気圧の変化が発生し空気の抵抗を生みます。これがいわゆるクラブの空気抵抗です」。
―その空気抵抗を無くす為に何故『XR 16 シリーズ』では突起物をつけたのですか?
「空気の動きには“層流”と“乱流”と大きく2つあります。簡単に言うと“層流”はものの形状に沿って流れる空気、飛行中の飛行機の周りに流れている空気はこれに当たります。“乱流”はその名の通り層流とは逆にものの回りにある乱れた流れのことです。飛行機はできる限り“層流”にしようとしています。最新の航空機では主翼端に小さな翼・ウイングレットをつけたりして、周りの空気がスムーズに流れるように設計しているのです。対してクラブの場合、一番の問題は空気の剥離。それを防ぐため、周りにわざと“乱流”を作り出すのです。そうすることで空気が離れることを抑えて気圧の変化を限りなく少なくするのです。つまり、突起物(スピードステップ)によって乱れた流れをあえて生み出すことが空気抵抗を減らしているのです。これが『X 16 ドライバー』最大のポイントとなっている部分です」。
―何故そのスピードステップはクラウンのこの位置にあるのですか?
「意図的に乱流を起こすためには剥離が起きる前に“乱流”を作りださなければなりませんから、フェースに当たった空気が流れてくるこの位置でなくてはならないのです。また、今回もう1つ苦労したのはスピードステップのかたちです。形状だったり、大きさだったり。これをあまりにも大きくしたり高さをもたらせてしまうと逆効果。空気抵抗をさらに生んでしまうのです」。
なお、ソール部分に空気の流れを調節するものが無いのは、フェース面、クラウン以外の部分に関しては空気抵抗にそこまでの影響がないため。また、空気力学面だけで考えてもクラブの形状はこの形がベストらしい。理由はゴルフのスイングは一定ではないため、飛行機のような形状にするとクラブの入り方によって空気の流れも大きく変わってしまうから。「スイングに合わせて形が変わってくれるクラブができればベストなんだけどね。それは無理だから」とクラウチ氏は笑う。
そんな『XR 16 シリーズ』は2月中旬発売予定。またやや小ぶりで操作性の高い『XR 16 PROシリーズ』も同時に発売される。詳細はキャロウェイゴルフの公式HP(http://www.callawaygolf.jp/)を参照。
契約プロたちのインプレッションはこちら→http://www.alba.co.jp/gear/news/article/no=41414