【バケモノたちの使用ギア】松山英樹の進化の証拠!?「UT代わり」3番アイアンの攻撃力。
PGAツアーデータ・ドリブンシリーズとして、さまざまな公式データからギアとバケモノの相関関係をひも解いていく企画。今回は松山英樹の「全英オープン」制覇を見据えた投稿となります。その理由は……
配信日時: 2017年6月26日 01時38分
目次 / index
松山は旧『M2ツアー』の3I、ケプカは『ヴェイパーフライプロ』の3I、スピースは『T-MB』で中空の4I
ジョーダン・スピースが節目のツアー10勝目を挙げた。スピースのセッティングを見ると、今季はやさしい中空アイアンである『718 T-MB』の4番アイアンを入れている。3Uは『816H2』で、やさしいギアに頼るスピースらしいセッティングだといえる。ちなみに、スピースのドライバーの平均ヘッドスピードは50.19m/s。ツアーでは127位で、PGAツアーの中ではヘッドスピードが速くないのがよく分かる。
反対に、ツアー4位の平均ヘッドスピード55.6m/sを誇るブルックス・ケプカはというと、3Iにステンレス鋳造(中空ではない)のナイキ『ヴェイパーフライプロ』を入れている。(それ以下は、ミズノ『JPX900ツアー』)そして、先日全米オープンの最終ホールはセカンドショットで残り270ヤードをこの番手で狙い、約15ヤードショートしていた。はたしていい当たりをすれば乗っていたのだろうか……。
ご存知かと思うが、平均ヘッドスピード約53m/sの松山英樹。昨季からテーラーメイド旧『M2ツアーアイアン』の3番アイアンを投入してかなり活躍させている。フェアウェイが固く締まったコースでは、この番手で280ヤード近くまで運ぶことも珍しくなく、ティショットで多用するほか、セカンドショットではカット目に入れてフェードを意のままに操り、600ヤードを越えるロングホールで松山の2オン製造機となっている。
松山は古くはブリヂストン『X-UT』やホンマ『TW727』など、小ぶりなウッド型UTを入れることが多かったが、3Iにこのテーラーメイド『M2ツアー』を投入してから目に見えてスコアが向上しているように見える。背景には、松山の約2.5m/sものヘッドスピードアップがあると思われる。それまでのスピースに近い50m/s前後のヘッドスピードでは、キャリーが出やすいウッド型UTの方が信頼に足るクラブだったはずである。
肉体改造に成功した今、全体的なパワーの底上げで、ケプカまではいかないものの全番手でパワーアップしているのは間違いない。そのため、ウッド型UTに頼ることなく、飛び系アイアンでも十分にキャリーを得られるようになったと見るべきか。しかも、ウッド型UTは重心深度が深く、キャリーも打ち出し角も出てしまいやすいが、アイアンであれば、そこを抑えたいときに意のままに抑え込めるはず。
ティショットからセカンドショットまで、現在の松山が打ちたい球を幅広くカバー出来るのは、ウッド型UTでもなく、アイアン型UTでもなく、飛び系アイアンだということになるのだろう。もちろん、試合によってキャリーが必要なケースはウッド型UTも使用するだろうが、これから全英オープン制覇を目指すうえで、松山の3番アイアンは間違いなくキーとなるクラブだと思われる。
アマチュア的な考えならば「芯が狭くて球が上がりづらいロングアイアンより、ウッド型UTの方がやさしいのに」と思いがちだが、松山のようなバケモノたちにこんな考え方は当てはまらない。テーラーメイド旧『M2アイアン』の4番を使用する谷口拓也プロはこう答える。
反対に、ツアー4位の平均ヘッドスピード55.6m/sを誇るブルックス・ケプカはというと、3Iにステンレス鋳造(中空ではない)のナイキ『ヴェイパーフライプロ』を入れている。(それ以下は、ミズノ『JPX900ツアー』)そして、先日全米オープンの最終ホールはセカンドショットで残り270ヤードをこの番手で狙い、約15ヤードショートしていた。はたしていい当たりをすれば乗っていたのだろうか……。
ご存知かと思うが、平均ヘッドスピード約53m/sの松山英樹。昨季からテーラーメイド旧『M2ツアーアイアン』の3番アイアンを投入してかなり活躍させている。フェアウェイが固く締まったコースでは、この番手で280ヤード近くまで運ぶことも珍しくなく、ティショットで多用するほか、セカンドショットではカット目に入れてフェードを意のままに操り、600ヤードを越えるロングホールで松山の2オン製造機となっている。
松山は古くはブリヂストン『X-UT』やホンマ『TW727』など、小ぶりなウッド型UTを入れることが多かったが、3Iにこのテーラーメイド『M2ツアー』を投入してから目に見えてスコアが向上しているように見える。背景には、松山の約2.5m/sものヘッドスピードアップがあると思われる。それまでのスピースに近い50m/s前後のヘッドスピードでは、キャリーが出やすいウッド型UTの方が信頼に足るクラブだったはずである。
肉体改造に成功した今、全体的なパワーの底上げで、ケプカまではいかないものの全番手でパワーアップしているのは間違いない。そのため、ウッド型UTに頼ることなく、飛び系アイアンでも十分にキャリーを得られるようになったと見るべきか。しかも、ウッド型UTは重心深度が深く、キャリーも打ち出し角も出てしまいやすいが、アイアンであれば、そこを抑えたいときに意のままに抑え込めるはず。
ティショットからセカンドショットまで、現在の松山が打ちたい球を幅広くカバー出来るのは、ウッド型UTでもなく、アイアン型UTでもなく、飛び系アイアンだということになるのだろう。もちろん、試合によってキャリーが必要なケースはウッド型UTも使用するだろうが、これから全英オープン制覇を目指すうえで、松山の3番アイアンは間違いなくキーとなるクラブだと思われる。
アマチュア的な考えならば「芯が狭くて球が上がりづらいロングアイアンより、ウッド型UTの方がやさしいのに」と思いがちだが、松山のようなバケモノたちにこんな考え方は当てはまらない。テーラーメイド旧『M2アイアン』の4番を使用する谷口拓也プロはこう答える。
「(松山)ヒデキが使うのはやや小ぶりの旧『M2ツアー』ですけど、ボクはノーマルの旧『M2アイアン』を入れていますね。やっぱり使う理由は上がって飛ぶからですよ。ボクも調子がいいと4番アイアンでキャリー235ヤード以上を打てますからね。しかもむちゃくちゃ高弾道で上から落とせるので、UTが要らないんですよ。あと、アイアンの形状だから、(プロにとっては)コントロール性もいいしね。曲がらず保険がかけられます。英樹が使うのも同じ理由だと思いますよ。
ボクが使う旧『M2アイアン』が飛ぶ理由は、ロフトが19度と立っていることもありますが、そのロフトが信じられないくらい、上がるというのが大きいです。やっぱり、200ヤード以上の長い距離を止めるというUT的な使い方をしたい番手ですから、上がらないことには話にならないので」(谷口拓也)
ギアに感度が鋭く、また松山同様に、肉体改造で全体的な底上げに成功している池田勇太も新『M2アイアン』をテストするなど、ヘッドスピード50m/s以上のツアープロたちが、松山のクラブセッティングに感化されている模様で、これらの影響か新『M2アイアン』の販売も絶好調だと聞く。ここまでは、バケモノたちの使用ギアの話だが、アマチュアにも有り難い流れがある。
ボクが使う旧『M2アイアン』が飛ぶ理由は、ロフトが19度と立っていることもありますが、そのロフトが信じられないくらい、上がるというのが大きいです。やっぱり、200ヤード以上の長い距離を止めるというUT的な使い方をしたい番手ですから、上がらないことには話にならないので」(谷口拓也)
ギアに感度が鋭く、また松山同様に、肉体改造で全体的な底上げに成功している池田勇太も新『M2アイアン』をテストするなど、ヘッドスピード50m/s以上のツアープロたちが、松山のクラブセッティングに感化されている模様で、これらの影響か新『M2アイアン』の販売も絶好調だと聞く。ここまでは、バケモノたちの使用ギアの話だが、アマチュアにも有り難い流れがある。