R&A AIG女子オープン(全英女子オープン)
緊急渡英の“ドタバタ娘”2人が仲良く最終調整 川崎春花は全英会場で刺激「このレベルに追いつくためには…」
全英出場が直前に決まり、ドタバタと渡英してきた同い年の櫻井心那と川崎春花。ともに大会初出場となる2人の意気込みは?
配信日時:配信日時: 2023年8月10日 00時30分
<AIG女子オープン 事前情報◇9日◇ウォルトン・ヒースGC(イングランド)◇6881ヤード・パー72>
急きょ出場権がおりてきてドタバタの渡英となった同学年の2人が、切磋琢磨しメジャーでの活躍を目指す。今季2勝の櫻井心那と、通算2勝の川崎春花が、開幕前日に練習ラウンドをともにし、最終調整を行った。
先週行われた国内ツアー「北海道meijiカップ」の会場で、全英行きが決まった2人。櫻井はプロアマに出場していた木曜日の昼に、川崎も同じ日の夜の開幕前日に知らせを受けた。櫻井は「周りの人のおかげで、私は行くだけ。順調でした」と月曜日の朝に到着。その日からコース入りすると、渋野日向子と一緒に「めちゃくちゃ楽しかったし、幸せだった」という練習ラウンドも行った。
一方の川崎は「いろいろトラブルもありました」と苦笑い。ウェアの規定などをクリアするためにこちらも周囲が奔走し、なんとか出場にこぎつけた。当初はあまりに急な話で「断った」ということも明かすが、最終的には家族との話し合いで英国行きを決めた。「行かないと後悔すると思って決断しました」。これが先週金曜日の朝のことだ。
コースに出ると、その決断が正解だったことを実感できる。「渋野さんが勝った大会も見ましたし、去年もテレビで。まさかここに来られると思ってなかったので、すごくうれしい」と、おしとやかな笑顔を浮かべる。また海外選手の球質の違いなども肌で感じ、刺激に。「難しいコースで毎週プレーしていることが感じられた。このレベルに追いつくためには、練習を見直さないといけないと思いました」。映像では伝わらないことのなかに、大事なものがたくさんあった。
開幕前に櫻井は2.5ラウンド、川崎は1ラウンドほどを消化。「風が重たい。そよ風でもボールが戻されたりするからそこが難しい」(櫻井)、「洋芝の北海道のコースになんとなく似てる。ティショットでバンカーに入れたら1ペナ。難しい、いいセッティングですね」(川崎)とそれぞれコースの印象を話した。
メジャー大会で初優勝を挙げた昨季のような調子がなかなか出なかった川崎だが、先週はひさびさの上位フィニッシュとなる3位。そんななかで同世代とメジャーに出場できるというのは、やはり特別なことだ。「心那ちゃんは今年2勝している。すごくうまい選手なので、きょうも一緒に回って『こうやって打つんや』とか勉強になった。素振りも全力でしていて、マネしようって」。とはいえ昨年一足先にブレークした川崎の影響は、確実に同期や同学年の選手たちに力を与えているはず。ツアーで活躍する選手が増え、刺激し合い、高め合う世代になっている。
櫻井の目標は「出るからには優勝目指して頑張ります」。一方の川崎は、「ミドルも長いし、ユーティリティを使うホールも多いけど、毎日アンダーで回れたら」。ドタバタの先に大きな収穫を得て、落ち着いた気持ちで日本に帰りたい。(文・間宮輝憲)
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