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アダム・スコットが使う“MIURA”アイアン 独特形状は「スクエアにヒットできる」
今年で2年連続7度目の出場となるアダム・スコットは、悲願の「日本オープン」制覇を狙う。
配信日時: 2023年10月11日 23時34分
<日本オープン 事前情報◇11日◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7315ヤード・パー70>
「日本オープンをプレーするのをいつも楽しみにしている」。アダム・スコット(オーストラリア)が日本のナショナルオープンに帰ってきた。今回で2年連続7度目の出場となる。予選ラウンドは前年覇者の蝉川泰果、そして現在賞金ランキングトップに立つ金谷拓実との組み合わせとなった。
「蝉川選手とは何度か回ったことがあって、ディフェンディングチャンピオンと回るのは光栄なこと。若い選手とのプレーは自分にとっても刺激になるし、とても楽しみにしている」。蝉川とは昨年大会と全英オープンの練習ラウンドをともにしているが、試合で一緒に回るのは初めてとなる。
日曜日に来日すると、月曜日は居酒屋で豚串、火曜日は焼肉で英気を養った。「毎晩いろんな人と日本食を楽しんでいて、それが日本に来る楽しみの1つなのは間違いない」とさわやかな笑顔を見せる。時差ボケもあって睡眠不足気味だったが、周りのスタッフが枕やベッドを替えるなどして奔走。水曜日は朝の9時半までよく眠れたという。昼過ぎにコースに現れると、インのハーフをJGAナショナルチームの本大志(目黒日大高3年)らと会話しながら回った。
「ゴルフには自信を持っているので、そのなかでいいプレーを見せられればいい。自分はこれ以上若くなることはないので、そろそろ勝たないといけない」。過去6度の出場で、昨年大会の6位タイを含むベスト10に3度入っているが、まだ優勝はない。
そんなスコットのキャディバッグをのぞいてみると、3番アイアンはスリクソン『ZX Mk II』、4番、5番アイアンはタイトリスト『620 CB』、6番から9番の4本は三浦技研のプロトタイプという構成になっている。三浦のアイアンは「すごくフィーリングがいい」と、昨年の6月から使っており、昨年の日本オープンでは同社のマッスルバックで戦っていた。
今回入れている三浦のアイアンは昨年とは別のモデル。『KM-700』がベースとなっているようで、トゥ側のソールの一部が削り落とされた独特な形状。構えたときの顔はトゥ側の頂点が尖った日本刀のような美しさがある。そして、バックフェースには『MIURA』のマークと、「神の手」を持つといわれる三浦勝弘会長の『勝』のハンコが刻印されている。
「あのシェイプがクラブのバランスを取るのに一番いいと、三浦さんが作ってくれた」と、ヘッドの重心と振り心地を気に入っている。続けて「ソールの抜けには影響がなく、スクエアにボールをヒットするのにすごく機能している」と話す。
ユニクロを身にまとい、国産アイアン発祥の地と呼ばれる兵庫県市川町の三浦アイアンをたずさえた13年のマスターズ覇者は「とにかく今週勝ちたい」と、母国の「オーストラリアン・オープン」、「シンガポール・オープン」に続く3つ目のナショナルオープンタイトルを目指す。(文・下村耕平)