“自分に負けない”をテーマにトレーニング【原田香里のゴルフ未来会議】
トレーニングを始めた原田香里が感じたこととは?
配信日時:2023年11月16日 23時00分
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。ツアーはシーズン大詰め。女王タイトル争いもシード権争いも佳境に入っています。でも、それについては結果が出てからゆっくりお話ししますね。今日は少し私事を聞いてください。
実は私、最近になって少しトレーニングを始めています。自分がやりたいスイングができるように、という思いからです。身体を目覚めさせている、と言い換えてもいいかもしれません。
年齢を重ねるとともに、頭からの指令に対して身体がうまく反応できなくなります。若い頃なら、頭で考えたことがスッとできたのに、体が反応できなくなる。経験されたことのある方も多いと思いますし、仕方のないことではあります。でも、できる限りこれを減らしたい。そう思って集中してトレーニングをしてみることにしたのです。
もちろん、現役時代のようにガッツリ、という感じではないのですが(汗)。それでも、トレーニングを始めて少し経ったら、18ホール中3発くらいは、考えて動くのではなく、頭からの指令通りに体が動くショットが打てたのはうれしかったですね。
JLPGAの理事を退任したばかりの約2年半前には、あまりにもゴルフをしていなかったためにそれどころではありませんでした。それから、ゴルフをする回数が増えるにつれて『ゴルフがもっと上手になりたい』『思い通りにいかないと悔しい』。そんな気持ちがようやく戻ってきたということだと思います。
最近、うれしいことにゴルフのお誘いを頂くことがどんどん増えてきています。私はプロゴルファーですから、当然、そういう目で見られるのですが、以前に比べてヘタになっているのは紛れもない事実です。でも、ヘタになっている自分がとてもイヤだと感じるのです。
試合じゃなくてもいいゴルフを見せたい、という思いはどんどん強くなっています。それに加えて、今年も日本女子プロゴルフ選手権に出場したことで、大きな刺激を受けました。もう少し頑張りたい、という気持ちが強くなったのです。来年のレジェンズツアー、に向けて、改めて体づくりをして年齢に抗おうというわけです。
ただ、57歳という年齢については、どうすることもできません。トレーニングをしたとしても、完全に以前の自分のイメージ通りにゴルフをするのは難しいでしょう。それでも、できる限りイメージに近づけたいと思っています。
そうなると、当然、辛いことも起きてきます。イメージと現実のギャップ。思うようにできないことで続かなくなる気持ち…。今、考えただけでも、色々なことが考えられます。でも、辛いことばかりではなく、うれしいことも起きるはずです。先ほど、お話しした18ホール中の3発、などはそのいい例です。
ジムでのトレーニングの他にも、ランニングやスイミングなど、体力、筋力を維持するためにこれまでもしていたトレーニングも、もちろん続けています。
今の私のテーマは『自分に負けないこと』です。ゴルフはつねに自分自身との戦いですが、人生も同じなのはわかっています。時々負けそうになるのが人間と言うものですが、しばらくはあえてそう誓って頑張ってみようと思っています。
年齢との戦い、感覚を取り戻す努力…。どちらも、私自身にしかわからない小さな変化かもしれませんが、また、何かあったらご報告しますね。急に寒さが厳しくなってきました。みなさま、どうぞご自愛の上、ゴルフをお楽しみください。
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。
原田香里のゴルフ未来会議