日本ツアー21勝を挙げたイ・ボミのピン筋アイアン 切り返しでは“右脚のライン”を意識する
正確無比なアイアンショットを武器に日本ツアーで21勝を挙げたイ・ボミ(韓国)。安定感抜群の“一軸スイング”は、切り返しにポイントがある。
配信日時: 2024年1月31日 22時45分
身長は158センチと大きくないが、正確無比なアイアンショットを武器に日本ツアーで21勝を挙げたイ・ボミ(韓国)。「いかにシンプルにスイングするかを心がけました」という安定感抜群の“一軸スイング”は、切り返しにポイントがある。
「ダウンスイングに入るときに意識しているのは右腰と右脚でできるラインです。バックスイングでは下半身をほとんど動かさずに、胸を地面に近づけるようにして上半身を回しますが、そのとき、体の右サイドに斜めのラインができます。このラインをキープしたまま左に傾けるようにダウンスイングに入るんです」
切り返しというと、左足への踏み込みを思い浮かべるが、ボミの場合は右サイドを意識している。右腰と右脚のラインを左に倒すが、そのときに頭の位置は動かさない。結果的に下半身リードで左足に踏み込むかたちとなる。スイングの流れだけを見ると、見事な一軸スイングだが、ダイナミックにフットワークを使っているのだ。
「気を付けたいのは右腰がトップのラインよりも右側に出ないこと。左腰が引けてカット打ちなり、ボールがつかまりません」とボミは付け加える。
そして、インパクトではツマ先を地面に押し込むようにして両ヒザを伸ばし、体に急ブレーキをかけることで、「遠心力が働きヘッドが走ります。球がつかまってラインが出せる」。しっかり両足で地面を蹴るため、ベタ足でスイングしているように見えるのだ。ヒザを伸ばすと体全体が伸び上がりそうだが、「地面を見続けることで前傾をキープできます」と話す。実際にボミのスイングを見てみると、頭は上下左右、そして前後にも一切動かない。
また、インパクトで右ヒザが前に出ると前傾角度が崩れて“あおり打ち”になるが、伸ばすことでしっかり上から打ち込むことができる。そんなボミの試合の朝の練習時間は55分。練習グリーン→ドライビングレンジ→アプローチ練習場→バンカー練習場→練習グリーンとたっぷり球を打つ。その習慣により年間を通してスイングの調子を維持し、日本ツアーでの成功につながった。
■イ・ボミ
1988年生まれ。韓国水原市出身。2011年に来日し、日本通算21勝を積み上げた。愛くるしい笑顔から『スマイル・キャンディ』と呼ばれ、多くのファンをとりこに。昨年10月の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」を最後に日本ツアーから引退した。
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