木村和久のおやじゴルフニュース「コースとクラブハウスのマリアージュ 白河高原CC」 | 木村和久&かざま鋭二のおやじが気になる旬なゴルフ情報

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木村和久のおやじゴルフニュース「コースとクラブハウスのマリアージュ 白河高原CC」

ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。

2021年11月16日

東京駅から東北新幹線に乗り2時間でコースに到着

 
イラスト・かざま鋭二
独特の切り口で評判のコース探訪記、今回は2回目です。前回は「若者の生態がよく分かるコース」の紹介でしたが、今回は「老夫婦が泊まりで行くにはぴったしの老舗リゾートコース」とでもいいましょうか。熟年オヤジが夫婦でも仲間でもいい、1泊2日のプチ旅行ゴルフをするなら、こんな感じの旅をしたい。そんなプランを思い描き、実際に体験してきました。

稲見萌寧の晴れ着姿がかわいい【写真】

チェックポイントは、まずなんといってもゴルフ場に宿泊施設が備わってるコースであること、それを強く勧めます。宿泊料金が安いので、ラウンドと合わせた宿泊パックを使えば、驚くほどリーズナブルです。加えてコース内に宿泊施設があると、朝の支度がすごく簡単でいい。温泉なんかあったら、余裕で朝風呂に入り、室内着で朝食を食べれたりしますからね。家からコースに行くまでの道のりが遠くても、新幹線やクラブバスの連携がスムーズなら、さほど問題はないと思います。だから早朝に家を出れば、当日のラウンドも間に合ってしまう。せっかく行くのだから、欲張って1泊2ラウンドしたいと思う人もいるはずです。実に素敵な週末じゃないですか。

そんなリゾートゴルフの条件をすべて兼ね備えているのが、私も何度も行っている、白河高原カントリークラブ(福島県)です。今回行ったのは、ちょうど紅葉が始まった10月末でした。東京駅から東北新幹線に乗り、新白河駅まで約1時間20分。そこから無料のクラブバスを使い、25分ほどで到着。案外近いんだなと改めて感じます。朝の東京駅6時40分発の新幹線に飛び乗れば、なんと8時40分にコースに到着です。この行程なら日帰りラウンドも十分可能ですね。
山小屋風の佇まいのクラブハウス玄関で
■茅葺き合掌造りの三角屋根がそびえ立つクラブハウス■

開場は1963年。最初の経営母体は大成建設。その後、同じ芙蓉グループの東京建物に移り、東京建物リゾートが運営することに。シニア層に絶大な支持を受けており、取材日も沢山の熟年夫婦がクラブバスに乗っていました。

このコースは東北の名門として、バブル時は4500万円の値段がつきました。今もなお秩父宮杯という競技が行われており、優勝者の名前はカップに刻まれることに。今どき、宮様杯のあるコースなんて、そんなにありませんよ。そんな由緒ある名門コースですが、さらに注目すべきは、クラブハウスとコースです。
クラブ競技で行われている秩父宮杯と総理大臣杯のカップ。競技の結果は宮内庁に報告されている
クラブハウスはクラブハウス設計の老舗、レーモンド設計事務所が手がけ、コースは日本で100コース以上を手がけた巨匠・富澤誠造(息子の廣親氏も含めての数)が設計しています。というわけで今回のタイトルは、「コースとクラブハウスのマリアージュ」です。クラブハウスとコースの絶妙な組み合わせを、とくと堪能して頂きます。

まずクラブハウスですが、これはレーモンド設計事務所が携わっています。それではレーモンドとは何か? 実は人の名前なのです。帝国ホテルを建設するときに招聘した設計家、フランク・ロイド・ライトという人物がおります。そのときに、スタッフとして働いていた設計技師がアントニン・レーモンド(1888年〜1976年・チェコ出身)なんですね。

レーモンドは帝国ホテル建設に携わり、その後、日本に居ついてしまう。そしてレーモンド設計事務所を立ち上げ、その事務所はレーモンド亡き後も残り現在に至るというわけ。レーモンド設計事務所の代表的なクラブハウス設計は、東京ゴルフ倶楽部の朝霞コース、門司ゴルフクラブに神戸ゴルフ倶楽部、調べればキリがないですが、当時のモダニズム設計の第一人者として脚光を浴びていたのは確かです。

そして白河高原CCのクラブハウスの設計に着手するのですが、これがなんと茅葺き屋根の合掌造りだからたまげます。誰が言い出したかは今となっては謎だし、アントニン・レーモンドがどれだけ関わったかも謎です。けど白河高原CCの空間造形の素晴らしさは、目を見張るものがあり、まさに傑作といえるでしょう。
茅葺きの屋根が目に優しい安堵感を与えてくれるコース側から見たクラブハウス
ゴルフ場にやって来ると、シックな山小屋風な佇まいのエントランスが見えます。ところが、コース側からクラブハウスを見ると、茅葺きの合掌造りの三角屋根がそびえ立ち、非常に重厚で神々しい。柱が露出している部分もあり、どこぞの神社かと思えるほどです。さらにクラブハウスのレストランに入ると、屋根裏は合掌造りの茅葺き屋根がむき出しで、内部構造がひと目で分かる仕組みになっています。縦横無尽に走る柱と梁、これが約60年前に造られたとは思えないほど、ピカピカで新しく見えるのです。さらに源泉かけ流しの甲子温泉に繋がる渡り廊下や、コース売店のひなびた感が実にいい。日本のわびさびの世界がよく分かっているなあと感心しまくりです。
レストラン天井は合掌造りの屋根がむき出しで、縦横に柱と梁が走る
アントニン・レーモンドと日本家屋の組み合わせは意外と思うでしょうが、実は白河高原CCを造る以前から、彼は日本家屋の研究をしていたのです。第二次世界大戦中、レーモンドはアメリカに移住し、戦争協力者となります。チェコ生まれですから、微妙なポジションにいたのは否めません。だから積極的にアメリカ政府に協力したのではないでしょか。そしてカーチス・メイルが日本空襲を計画したとき、アントニン・レーモンドに日本家屋の建築依頼をし、そこで焼夷弾の燃焼実験をしたとも。いやあ〜歴史って皮肉ですね。

とまあいろんなことを想像しながら、白河高原CC自慢のすき焼き鍋ディナーをクラブハウスで頂き、明日のラウンドを夢想するのでありました。
谷越えの打ち下ろしホールで豪快にティショットを放つかざま先生
■名匠・井上誠一の流れを踏むコース設計■

さて今度はコースのお話です。コース設計は富沢誠造で、総武カントリーや千葉カントリー川間コースなどの設計で有名な大先生です。設計したコースが異常に多く、息子の廣親氏と組んでなら100を越えていますからね。しかも、造ったコースはそこそこ出来がいい。栃木の某コースなんか何度もラウンドしましたが、アップダウンがあるのに、インターバルで解消したり、傾斜地に雛壇状にコースを配置し、平らコースに仕上げている。地形のマイナス要素を、プラスに転換する技術は日本一じゃないですか。

富澤誠造は滅多に依頼を断らないし、予算で文句をいった話しもほとんどないと聞きます。こんな立派な人格はどのようにして形成されたのか? 彼の生い立ちを探ってみましょう。

富沢誠造は14歳で武蔵野カントリークラブの六実コースのグリーンキーパーとして雇われます。その後、コース造成のパイオニア安達建設に入社します。そして1950年、川崎国際カントリー倶楽部の工事監督に任命。コース設計はいわずと知れた天才、井上誠一。富沢は井上誠一から設計のノウハウを学び、彼の実力から知名度、スケール感まで学習し、改めてその偉大さに感服するのです。
取材で訪れた10月末は紅葉が始まったばかり。フェアウェイからグリーンを狙うかざま先生
どういうことかというと、超人気の井上誠一に設計を依頼する人は、予算や土地に対して制限を儲けない場合が多いのです。だから某有名コースで、隣にもうひとつコースを造ってくれと井上誠一に依頼したら、現地を見た井上は「ここは狭いし地形がよくない。18ホールは無理、9ホールなら」といって断ります。結果、ほかの設計家が無理矢理18ホールを造って、散々な評判となってしまうのです。

富澤誠造は井上誠一の背中を見ながら、井上誠一に頼めないような、予算も少なく、土地もイマイチだけどゴルフ場を造りたい人の願いを、自分は叶えてあげようと誓うのです。だから富澤誠造のゴルフ場は、周富徳の「冷蔵庫の中のあり合わせの食材で造るチャーハン」に似ているのです。なんでもそこそこまとめて、一丁上がりにする手さばきは見事としかいいようがありません。
キャディつきのラウンドであれば、キャディさんの判断でカートのフェアウェイ乗り入れが可能
今回の白河高原CCは、元々が福島県の依頼もあり建設プランがしっかりしていました。白河といっても那須高原の裏側で、傾斜がなだらか。クラブハウスが一番高い所にあり、フェアウェイが広くて雄大。ショートホールの谷越えなんかは、すげえダイナミックで、リゾートとは思えないですからね。

以前来たときは、温泉に何度も入り、深夜まで麻雀もしました。そういうオヤジの遊びも完備。ホテルはシングルルームが多めにあり、コロナ明けの泊まりゴルフに最適な環境といえます。そんなわけでオヤジゴルフは、ラウンドだけが目的じゃない。移動、温泉、ディナー、そして紅葉のコースやシックなやクラブハウスを眺め、トータルで楽しまないと。残りの人生は、さほど長くないですよ。行きたいところを訪ね、好きなように生きましょうよ。
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。

かざま鋭二
かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
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